平成29年 不動産鑑定士試験 短答式 行政法規 問39
税法A 最重要
相続税及び贈与税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 婚姻期間が20年以上の配偶者から居住用不動産の贈与を受けた者が贈与税の配偶者控除の適用を受けるためには、その贈与を受けた年の翌年12月31日までにその居住用不動産を居住の用に供し、かつ、その後引き続き居住の用に供する見込みであることを要する。
(2) 婚姻期間が20年以上の配偶者から居住用不動産の贈与を受けた場合において、贈与を受けた者のその贈与を受けた年分の所得税法に定める合計所得金額が2,000万円を超えるときは、贈与税の配偶者控除の適用を受けることができない。
(3) 父母双方から同年中に財産の贈与を受けた者が、当該財産についてその年からそれぞれ相続時精算課税の適用を受ける場合には、相続時精算課税の適用を受ける財産の贈与をした者(以下この問において「特定贈与者」という。)ごとの贈与税の課税価格からそれぞれ2,500万円まで控除することができる。
(4) 特定贈与者が死亡した場合の相続税の課税価格には、その特定贈与者からの贈与により取得した財産で贈与税の課税価格に算入されたものの価額のうち、特別控除額(特定贈与者ごとに最大2,500万円)を超える額のみが加算される。
(5) 相続時精算課税の適用を受ける者は、特定贈与者が死亡した場合には、その特定贈与者から相続又は遺贈により取得した財産の価額にかかわらず、相続税の申告書を提出しなければならない。
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正解:(3)
解説
【正解 (3)】正しいのは(3)です。
(3) ○:
相続税法第21条の12第1項。相続時精算課税の特別控除2,500万円は「特定贈与者ごと」に適用されます。父からの贈与と母からの贈与についてそれぞれ相続時精算課税を選択した場合、それぞれの課税価格から2,500万円まで控除できます。
(1) ×:
相続税法第21条の6第1項により、居住の用に供すべき期限は贈与を受けた年の「翌年3月15日まで」です(贈与税の申告期限と同じ日)。翌年12月31日ではありません。
(2) ×:贈与税の配偶者控除に受贈者の合計所得金額による制限はありません。住宅ローン控除等の所得制限と混同させる出題です。
(4) ×:
相続税法第21条の15第1項により、相続税の課税価格に加算されるのは贈与により取得した財産の価額そのものであり、特別控除額を超える部分に限られません。相続時精算課税は贈与時の課税を精算する制度なので、贈与財産の全額が相続財産に持ち戻されます。
(5) ×:課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下であるなど納付すべき相続税額が生じない場合には、申告書の提出は必要ありません(納めすぎた贈与税の還付を受けるために申告することはできます)。
【法改正の注意】相続時精算課税は令和5年度改正により、令和6年1月1日以後の贈与から特定贈与者ごとに年110万円の基礎控除が設けられました。現行制度で確認する際は注意してください。
この問題の正解・解説は出題当時(平成29年)の法令によっています。その後の改正で現行法では扱いが異なる場合があります。
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