令和2年 不動産鑑定士試験 短答式 行政法規 問2
鑑定評価法B 重要
以下に記述した事例に関し、不動産の鑑定評価に関する法律に照らして正しいものはどれか。
法人である不動産鑑定業者Aは、甲県内に事務所(以下「甲事務所」という。)一箇所を有し、甲県知事の登録を受けている。また、甲事務所に専任の不動産鑑定士B及びCを配置している。
令和元年5 月1日、Aは、乙県内に新たな事務所(以下「乙事務所」という。)を設置し、乙事務所を主たる事務所とした。また、Bを専任の不動産鑑定士として乙事務所に配置した。これに伴い、Bは、甲県内から乙県内に住所を移転した。
令和元年6月1日、Cから同月末日で退職したいとの意思表示があり、Aはこれを了承し、Cは同月末日に退職した。これに伴い、Aは、同年7月11 日に不動産鑑定士Dを新たに雇用し、甲事務所の専任の不動産鑑定士として配置した。
Aの役員であるEは、道路交通法違反の罪により懲役4月執行猶予3年の判決を受け、令和元年8月8日にその判決が確定した。
(1) Aが、令和元年5月1日に乙事務所を設置するためには、あらかじめ、登録換えの申請をして乙県知事の登録を受けていなければならない。
(2) Bは、住所並びに所属する不動産鑑定業者の事務所の名称及び所在地の変更につき、遅滞なく、国土交通大臣宛に、変更の登録を申請しなければならない。
(3) 令和元年7月1日から10 日までの間、甲事務所における専任の不動産鑑定士が欠けており、このことはAに対する監督処分の理由となり得る。
(4) Aは、専任の不動産鑑定士の異動のいずれについても、変更の登録を申請する必要はない。
(5) 令和元年8月8日以降、Aが不動産鑑定業者として適法に存続するためには、Eが、執行猶予を取り消されることなく執行猶予期間を経過するか、執行猶予が取り消される前にAの役員でなくなればよい。
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正解:(2)
解説
【正解 (2)】事例に沿って登録手続を検討する問題です。
(2) ○:不動産鑑定士は、登録を受けた事項に変更があったときは、遅滞なくその旨を国土交通大臣に届け出なければなりません。不動産鑑定士の登録は国が一元的に管理しているため、届出先は都道府県知事ではなく国土交通大臣です。Bは住所と所属事務所の双方が変わっているので、いずれについても必要です。
(1) ×:甲県と乙県の2以上の都道府県に事務所を有することになるため、必要なのは国土交通大臣の登録であり、乙県知事の登録ではありません。また、登録換えは事務所の設置に先立ってあらかじめ行うものとはされていません。
(3) ×:Cの退職とDの雇用の間に専任の不動産鑑定士を欠く期間が生じてはいますが、この程度の期間の欠員が直ちに監督処分の理由となるわけではありません。
(4) ×:事務所ごとに置かれる専任の不動産鑑定士の氏名は不動産鑑定業者の登録事項ですから、その異動については変更の登録を申請する必要があります。
(5) ×:Eは禁錮以上の刑に処せられた者として欠格事由に当たり、執行猶予期間中もその状態が続きます。期間の経過を待つ間、Aは登録の要件を欠いたままとなるため、「経過すればよい」とはいえません。
この問題の正解・解説は出題当時(令和2年)の法令によっています。その後の改正で現行法では扱いが異なる場合があります。
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