令和8年 不動産鑑定士試験 短答式 行政法規 問39
税法A 最重要
相続税及び贈与税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 相続人が、実子2人(うち1人は相続の放棄をしている。)及び養子2人である場合には、相続税の遺産に係る基礎控除額は 5,400 万円となる。
(2) 被相続人から相続により財産を取得したその被相続人の配偶者が、相続開始の日の2年前にその被相続人から贈与により居住用不動産を取得し、贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、その居住用不動産の価額のうち贈与税の配偶者控除により控除された金額に相当する部分についても、相続税の課税価格に加算する。
(3) 父からの贈与について既に相続時精算課税制度を選択した者であっても、母からの贈与について相続時精算課税制度を選択する場合には、新たに相続時精算課税選択届出書を提出しなければならない。
(4) 納付すべき贈与税額を金銭で納付することが困難である場合、その納付を困難とする金額を限度として、贈与により取得した財産をもって物納に充てることができる。
(5) 相続により取得した財産に係る相続税について申告書を提出する場合において、その相続により取得した財産の全部又は一部が共同相続人によってまだ分割されていないときは、その分割されていない財産の価額については、相続税の課税価格に算入されない。
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正解:(3)
解説
【正解 (3)】相続税・贈与税の計算と手続の基本問題です。
(1) ×:基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。相続放棄した者も法定相続人の数に含めますが、実子がいる場合に算入できる養子は1人までのため、法定相続人の数は3人(実子2人+養子1人)となり、基礎控除額は4,800万円です(
相続税法第15条)。
(2) ×:贈与税の配偶者控除の適用を受けた居住用不動産のうち控除された金額に相当する部分は、生前贈与加算の対象から除かれ、相続税の課税価格に加算されません(
相続税法第19条)。
(3) ○:相続時精算課税は贈与者ごとに選択する制度であり、父からの贈与について選択済みであっても、母からの贈与について選択する場合には新たに相続時精算課税選択届出書の提出が必要です(相続税法)。
(4) ×:物納が認められるのは相続税のみであり、贈与税には物納の制度はありません(相続税法)。
(5) ×:未分割の財産については、各共同相続人が民法の規定による相続分の割合に従って財産を取得したものとして課税価格を計算します。課税価格に算入されないのではありません(
相続税法第55条)。
【学習ポイント】養子の算入制限(実子あり1人・実子なし2人)と「放棄者も法定相続人の数にカウント」の組合せは計算ひっかけの定番です。「物納は相続税のみ・延納は両方可」も即答できるようにしましょう。
この問題の正解・解説は出題当時(令和8年)の法令によっています。その後の改正で現行法では扱いが異なる場合があります。
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