令和8年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問2
総論第1章C 標準
不動産の鑑定評価及び不動産鑑定士の責務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 不動産の現実の取引価格等から不動産の適正な価格を見出すことは、一般の人と同様に不動産鑑定士にとっても非常に困難である。
(2) 不動産の鑑定評価は、その対象である不動産の経済価値を判定し、これを貨幣額をもって表示することである。したがって、不動産を特定せず、ある地域の相場としての賃料水準を求める行為は、不動産の鑑定評価に該当しない。
(3) 土地は、土地基本法に定める土地についての基本理念に即して利用及び取引が行われるべきであり、特に投機的取引の対象とされてはならないものである。不動産鑑定士は、このような土地についての基本的な認識に立って不動産の鑑定評価を行わなければならず、投機的取引と認められる事例を採用する場合には、取引の事情を正常なものに補正する必要がある。
(4) 不動産鑑定士は、良心に従い、誠実に不動産の鑑定評価を行う必要があり、市場参加者としての注意を払うことにより、専門職業家としての責務を果たし、社会一般の信頼と期待に報いることができる。
(5) 不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価を担当するものとして、十分に能力のある専門家としての地位を付与されているものであるから、自己の能力の限度を超えていると思われる不動産の鑑定評価についても積極的に引き受けるべきである。
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正解:(2)
解説
【正解 (2)】鑑定評価は特定の不動産の経済価値を判定し貨幣額で表示するものであり、不動産を特定しない相場水準の提示は鑑定評価に該当しません。
(1) ×:現実の取引価格等から適正な価格を見出すことは一般の人には非常に困難ですが、これを可能にするのが鑑定評価であり、不動産鑑定士にとっても「同様に困難」とする点が誤りです(基準総論第1章)。
(2) ○:鑑定評価の定義のとおりです。対象を特定せずある地域の相場としての賃料水準を求める行為は、鑑定評価に該当しません(基準総論第1章)。
(3) ×:投機的取引であると認められる事例等、適正さを欠く事例は、事情を補正して採用するのではなく、そもそも用いてはなりません(基準総論第7章)。
(4) ×:基準が求めるのは「専門職業家としての注意」であり、「市場参加者としての注意」ではありません(基準総論第1章)。
(5) ×:不動産鑑定士は、自己の能力の限度をこえていると思われる鑑定評価を引き受けるべきではありません(基準総論第1章)。
【学習ポイント】総論第1章の責務規定は「専門職業家としての注意」「能力の限度をこえる依頼は引き受けない」がキーワードです。語句の置換と方向の逆転に注意しましょう。
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