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平成29年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問30

各論第1章A 最重要

借地権の鑑定評価に関する次のイからホまでの記述のうち、正しいものをすべて掲げた組合せはどれか。

イ 借地権が成立しているか確認する場合、借地契約書を必ず入手しなければならない。

ロ 借地権の鑑定評価において、対象となる借地権には必ず経済価値が認められる。

ハ 借地の開始時期が昭和42年、期間50年、平成29年内において期間満了に伴う更新手続が行われる借地権の鑑定評価に当たっては、更新後には現行の借地借家法(以下この問において「法」という。)の適用を受けることに留意しなければならない。

ニ 借地権の鑑定評価に当たっては、借地権者が借地権設定者に差し入れる預り金的性格を有する一時金については、当該一時金を差し入れることによる運用益獲得機会の喪失相当額を査定し考慮する必要がある。

ホ 法第22条のいわゆる一般定期借地権は、存続期間を50年以上とすることを前提に、①契約の更新をしない、②建物の築造による存続期間の延長をしない、③法第13条の規定による建物の買取りの請求をしない、という特約を公正証書による等書面によって契約することにより成立する。

(1) イとロ
(2) ロとハ
(3) ニとホ
(4) イとロとハ
(5) ハとニとホ

正解と解説を見る

正解:(3)

解説

【正解 (3)】正しいのはニ・ホです。 ニ ○:借地権者が差し入れる預り金的性格を有する一時金は返還されるものの、差し入れている間の運用益を失います。借地権の価格を求めるに当たっては、この運用益獲得機会の喪失相当額を査定して考慮する必要があります。 ホ ○:借地借家法第22条の一般定期借地権は、存続期間を50年以上とし、①契約の更新をしない、②建物の築造による存続期間の延長をしない、③建物買取請求をしない、の3つの特約を公正証書による等書面によって定めることで成立します。 イ ×:借地権の成立は事実関係と法律関係により判断するものであり、契約書が存在しない口頭の借地契約もあり得ます。契約書を必ず入手しなければ確認できないわけではありません。 ロ ×:借地権に必ず経済価値が認められるわけではありません。実際支払賃料が適正賃料を上回る場合など、借地権の価格が生じない地域・事案もあります。借地権の鑑定評価は取引慣行の有無及びその成熟の程度によって手法を異にします。 ハ ×:借地借家法の施行(平成4年8月1日)前に設定された借地権については、借地借家法附則により旧借地法が適用され、更新後も引き続き旧法が適用されます。昭和42年開始の借地権は、平成29年に更新されても現行の借地借家法の適用を受けるわけではありません。旧法の適用が続く点は、存続期間や更新拒絶の正当事由の判断に影響するため実務上も重要です。

📖 関連するテキスト:31-1 借地権の意義と経済的利益(鑑トレの会員ページ)

この問題に出てくる用語

一般定期借地権支払賃料

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出典:平成29年不動産鑑定士試験 短答式試験(国土交通省)を加工して作成。解説は鑑トレが作成。