令和2年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問11
総論第5章A 最重要
正常価格の前提となる「現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 市場参加者は、自己の利益を最大化するため対象不動産の最有効使用を前提とした価値判断を行うが、現実の建物の用途等がその敷地の更地としての最有効使用に一致していない場合でも、当該複合不動産の最有効使用を前提に正常価格を求めることになる。
(2) 市場参加者の要件の一つに、対象不動産及び対象不動産が属する市場について取引を成立させるために必要となる通常の知識や情報を得ていることが挙げられる。
(3) 市場参加者の要件のうち、「買主が通常の資金調達能力を有していること」の「通常の資金調達能力」とは、市場における標準的な借入条件の下での借り入れと自己資金とによって資金調達を行うことができる能力をいう。
(4) 「対象不動産が相当の期間市場に公開されていること」が上記市場の条件とされているが、この「相当の期間」とは、対象不動産の取得に際し必要となる情報が公開され、需要者層に十分浸透するまでの期間をいう。
(5) 「対象不動産が相当の期間市場に公開されていること」の「公開されていること」とは、価格時点以降売買成立時まで公開されていることをいう。
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正解:(5)
解説
【正解 (5)】誤っているのは(5)です。
(5) ×:「公開されていること」とは、価格時点において既に市場で公開されていた状況を想定することをいい、価格時点以降売買成立時まで公開されることではありません(運用上の留意事項)。価格時点は価格判定の基準日ですから、それより後の期間の公開を要件とすることはできません。
(1) ○:市場参加者は対象不動産の最有効使用を前提とした価値判断を行いますが、建物及びその敷地の最有効使用と更地としての最有効使用は必ずしも一致しません。両者が一致しない場合には、複合不動産としての最有効使用を前提に正常価格を求めます。
(2) ○:市場参加者が取引を成立させるために必要となる通常の知識や情報を得ていることは、合理的な市場の要件の一つです。
(3) ○:通常の資金調達能力とは、市場における標準的な借入条件の下での借り入れと自己資金とによって資金調達を行うことができる能力をいいます。
(4) ○:相当の期間とは、対象不動産の取得に際し必要となる情報が公開され、需要者層に十分浸透するまでの期間をいい、市場の需給動向や不動産の種類等によって異なります。
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