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平成28年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問8

総論第5章A 最重要

鑑定評価の条件に関する次のイからホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組み合わせはどれか。

イ 現況建物を賃貸している借地権付建物について、賃借人退去後を想定した自用の建物及びその敷地として鑑定評価額を求めることを依頼された場合、建物については自用であることを前提とするという対象確定条件を設定し、鑑定評価を行うことができる。

ロ 不動産鑑定士は、依頼目的・利用者の範囲・条件設定の要件等を総合的に検討し、条件設定を行うことが適切であると判断した場合でも、依頼者との合意がなければ、条件設定を行うことはできない。

ハ 土壌汚染の有無及びその状態につき、土壌汚染が存する土地について別途汚染の除去工事が行われる場合、土壌汚染は存するが除去されたものとしてという想定上の条件を設定した場合に限り、土壌汚染の影響を価格形成要因から除外して鑑定評価を行うことができる。

ニ アスベスト等の使用の有無につき、調査範囲等条件を設定し当該価格形成要因を除外して評価を行うに当たっては、アスベスト等の除去の実現性は必要ないが、利用者が価格への影響度を判断するための別途調査やリスク回避等の実現性は必要である。

ホ 価格形成要因について、専門職業家としての注意を尽くしてもなお対象不動産の価格形成に重大な影響を与える要因が十分に判明しない場合において、専門家の調査結果等を活用することができず、また想定上の条件又は調査範囲等条件の設定により鑑定評価を行うこともできなければ、鑑定評価の依頼は謝絶しなければならない。

(1) イとロ
(2) イとニ
(3) ロとハ
(4) ハとホ
(5) ニとホ

正解と解説を見る

正解:(4)

解説

【正解 (4)】誤っているのはハ・ホです。 ハ ×:土壌汚染の影響を価格形成要因から除外する方法は、想定上の条件の設定に限られません。調査範囲等条件を設定して、土壌汚染の有無及びその状態を調査の範囲から除外することもできます(総論第5章第1節Ⅲ)。「想定上の条件を設定した場合に限り」とする点が誤りです。 ホ ×:価格形成に重大な影響を与える要因が十分に判明しない場合には、原則として他の専門家が行った調査結果等を活用します。それも困難で条件設定もできない場合には、鑑定評価を行うことが困難であるとして受任しない判断もあり得ますが、基準が「謝絶しなければならない」と義務付けているわけではありません。 イ ○:賃借人退去後を想定して自用の建物及びその敷地として評価することは、現実の利用状況と異なる状態を前提とする対象確定条件の設定として行うことができます。 ロ ○:条件設定をする場合には、依頼者との間で鑑定評価依頼契約上の合意がなくてはなりません(同節Ⅴ1.)。鑑定士が適切と判断しても、合意なしに設定することはできません。 ニ ○:調査範囲等条件は価格形成要因の調査範囲を限定するものであり、除去の実現性は要件ではありません。求められるのは、利用者が価格への影響度を判断するための別途調査やリスク回避等が可能であること、すなわち利用者の利益を害するおそれがないことです。

📖 関連するテキスト:11-1 基本的事項の意義(鑑トレの会員ページ)

この問題に出てくる用語

調査範囲等条件価格形成要因対象確定条件

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出典:平成28年不動産鑑定士試験 短答式試験(国土交通省)を加工して作成。解説は鑑トレが作成。