平成29年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問5
総論第2章C 標準
Bは、土地の所有者であるAとの間で事業用定期借地契約を締結の上、商業施設を建設し、当該施設をCへ賃貸していた。その後、売買によりBはAから当該土地の所有権を取得した。なお、売買時点における事業用定期借地契約の残存期間は17年であった。
この設例について、不動産の類型に関する次の記述のうち誤っているものはどれか。
(1) 「自用の建物及びその敷地」は、売買時点後の現実の利用状態を前提とした場合における建物及びその敷地の類型である。
(2) 「貸家及びその敷地」は、売買時点後の現実の利用状態を前提とした場合における建物及びその敷地の類型である。
(3) 「建付地」は、売買時点後の現実の利用状態を前提とした場合における宅地の類型である。
(4) 「借地権」は、売買時点前の現実の利用状態を前提とした場合における宅地の類型である。
(5) 「底地」は、売買時点前の現実の利用状態を前提とした場合における宅地の類型である。
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正解:(1)
解説
【正解 (1)】誤っているのは(1)です。
本設例は、借地権者Bが底地を買い取って土地と建物の所有者が一致した場面です。建物はCへ賃貸されたままである点が要点になります。
売買時点「前」:土地はAが所有し、Bの事業用定期借地権が付着していますから、Aの権利は「底地」、Bの権利は「借地権」です。
売買時点「後」:BがAから土地所有権を取得したため、借地権と底地は併合されて所有権となります。建物は引き続きCに賃貸されているため、建物及びその敷地の類型は「貸家及びその敷地」であり、その敷地である土地は建物の敷地として利用されているので「建付地」です。
(1) ×:建物がCに賃貸されている以上、「自用の建物及びその敷地」にはなりません。自用とは所有者自らが使用している状態をいいます。売買によって変わったのは土地の権利関係であって、建物の賃貸借は続いています。
(2) ○・(3) ○:上記のとおり、売買後は「貸家及びその敷地」「建付地」です。
(4) ○・(5) ○:売買前はBが「借地権」、Aが「底地」を有していました。
なお、借地権者が底地を取得する場合の売買は、限定価格が求められる典型例です(総論第5章第3節)。併せて押さえてください。
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