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平成27年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問2

総論第1章C 標準

不動産とその価格の特徴に関する次のイからニまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ 不動産の価格と賃料との間には、いわゆる元本と果実との間に認められる相関関係を認めることができる。よって、借地権創設時に、借地権の設定の対価として高額な権利金が授受された場合の宅地の支払賃料は、権利金が低額であった場合と比較して、一般に高くなる。

ロ 2つ以上の権利利益が同一の不動産の上に存する場合には、それぞれの権利利益について、その価格(又は賃料)が形成され得る。よって、地下鉄道の敷設を目的とした区分地上権が設定された土地に、マンションを建設するための地上権を設定した場合、それぞれの権利について価格が形成され得る。

ハ 不動産の利用形態が最適なものであるかどうか、仮に現在最適なものであっても、時の経過に伴ってこれを持続できるかどうか、これらは常に検討されなければならない。例えば、ある町の雇用について、そのほとんどが単一の企業に依存しているような場合には、当該企業の撤退可能性や、撤退した場合の不動産需給についても検討することが必要である。

ニ 不動産の現実の取引価格等は、取引等の必要に応じて個別的に形成されるのが通常であり、しかもそれは個別的な事情に左右されがちのものであって、このような取引価格等から不動産の適正な価格を見出すことは一般の人には非常に困難である。一方、専門家である不動産鑑定士は、取引の個別的な事情や取引当事者の属性等を調査できるため、投機的な取引の事例であっても、事情補正を行うことにより適正な価格を導くことができる。

(1) 1つ
(2) 2つ
(3) 3つ
(4) すべて誤っている
(5) 誤っているものはない

正解と解説を見る

正解:(2)

解説

【正解 (2)】誤っているのはイ・ニの2つです。 イ ×:権利金は賃料の前払的性格を持つ一時金です。高額な権利金が授受されていれば、その分だけ毎期の支払賃料は低く設定されるのが通常であり、「一般に高くなる」は逆です。元本と果実の相関関係という前半の記述自体は正しいので、後半の当てはめだけが誤っている点に注意してください。 ニ ×:基準総論第7章は、取引事例等について「投機的取引であると認められる事例等適正さを欠くものであってはならない」と定めています。投機的取引の事例は、事情補正を行えば使えるというものではなく、事例として選択すること自体が認められません。また基準総論第1章第4節も、土地は特に投機的取引の対象とされてはならないとしています。 ロ ○:同一の土地に区分地上権とマンション建設のための地上権が併存することはあり得ます(利用範囲が上下で分かれるため)。それぞれの権利について価格が形成され得るという記述は正しいです。 ハ ○:最有効使用の判定に当たっては、現在の利用形態の適否だけでなく、その持続可能性も検討する必要があります。単一企業に依存する町では、撤退リスクとその後の需給を織り込むことが求められます。

📖 関連するテキスト:1-1 不動産の概念と鑑定評価の対象(鑑トレの会員ページ)

この問題に出てくる用語

最有効使用支払賃料事情補正地上権

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出典:平成27年不動産鑑定士試験 短答式試験(国土交通省)を加工して作成。解説は鑑トレが作成。