平成27年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問25
総論第8章C 標準
鑑定評価の手順に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 鑑定評価を行うためには、合理的かつ現実的な認識と判断に基づいた一定の秩序的な手順を必要とするが、必ずしも不動産鑑定評価基準の規定の順序に従って行う必要はない。
(2) 依頼者との打合せを踏まえ、基本的事項の確定において対象不動産の類型を「自用の建物及びその敷地」、対象確定条件を「現実の状態を所与とする鑑定評価」と確定したが、対象不動産の確認において対象建物に賃借人の存在が認められた。この場合は、再度依頼者に確認の上、基本的事項の確定をやり直す必要がある。
(3) 鑑定評価に当たっては、依頼者と関与不動産鑑定業者との関係を明らかにしなければならないが、当該関与不動産鑑定業者が、鑑定評価の手順のうち事例資料の収集及び整理にのみ関与した不動産鑑定士が所属する再委託先である場合は、この限りではない。
(4) 一般的要因に係る一般資料には、国民経済計算、全国企業短期経済観測調査、消費者物価指数、人口動態調査、国債・公社債利回りなどがあり、平素からできるだけ広くかつ組織的に収集しておくべきである。
(5) 対象不動産について独立鑑定評価を実施する場合においては、個別資料として、対象不動産上に存する建物に関する耐震性を確認する資料を収集する必要はない。
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正解:(3)
解説
【正解 (3)】誤っているのは(3)です。
(3) ×:関与不動産鑑定業者とは、鑑定評価の依頼を受けた不動産鑑定業者及び当該鑑定評価に係る業務の一部について再委託を受けた不動産鑑定業者をいいます。再委託先の不動産鑑定士の関与が事例資料の収集及び整理にとどまる場合であっても関与不動産鑑定業者に該当し、依頼者との関係を明らかにする必要があります。「この限りではない」という例外は設けられていません。
(1) ○:手順は秩序的でなければなりませんが、基準の規定の順序どおりに行うことが求められているわけではありません。実務では確認と要因分析を往復しながら進めます。
(2) ○:確定した類型と現実の状態が食い違ったのですから、基本的事項の確定に立ち返る必要があります。賃借人がいれば類型は貸家及びその敷地となり、評価の枠組みが変わります。
(4) ○:一般資料の例示として適切です。一般的要因に係る資料は、個別の案件ごとに集めるのではなく平素から組織的に収集しておくべきものです。
(5) ○:独立鑑定評価は、建物等が存しないものとして土地を評価するものですから、建物の耐震性に関する資料は必要ありません。
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