平成28年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問36
各論第3章A 最重要
証券化対象不動産の鑑定評価において活用すべきエンジニアリング・レポート(以下この問において「ER」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) ERの内容を鑑定評価に活用するか否かの検討に当たっては、その判断及び根拠について、不動産鑑定評価基準に規定された項目ごとに鑑定評価報告書に記載しなければならないが、必ずしも、不動産鑑定評価基準に掲載された様式を用いる必要はない。
(2) 証券化対象不動産が運用開始から数か月で取り壊す予定である場合には、必ずしも、依頼者にERの提出を求める必要はない。
(3) ERは、依頼者自身が投資判断等の目的で取得するものであることから、証券化対象不動産の鑑定評価に当たっては、依頼者が調査の委託者となって作成されたERでなければならない。
(4) 不動産鑑定評価基準に規定される「鑑定評価に必要となる専門性の高い個別的要因に関する調査」の項目は、鑑定評価に必要な対象不動産の物的確認、法的確認等に係る必要最小限度のものであるから、当該項目とERに記載される調査項目とは、通常、一致している。
(5) ERにおける調査項目の1つである「修繕更新費用」(修繕計画)は、不動産鑑定士の通常の調査の範囲では、判断・査定が困難な専門性の高い個別的要因に係る調査項目であるから、鑑定評価に当たってはERに記載された数値を採用する必要がある。
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正解:(1)
解説
【正解 (1)】正しいのは(1)です。
(1) ○:エンジニアリング・レポート(ER)の内容を鑑定評価に活用するか否かの検討については、その判断及び根拠を基準に規定された項目ごとに鑑定評価報告書に記載しなければなりません。ただし記載の形式は問われず、基準に掲載された様式を用いることまでは求められていません。
(2) ×:運用開始から数か月で取り壊す予定であっても、土壌汚染や地下埋設物等の土地に関するリスクは残ります。ERの提出を求める必要がなくなるわけではありません。
(3) ×:ERは依頼者が委託者となって作成されたものに限られません。売主が取得したERなど、依頼者以外が委託したものであっても、内容を確認したうえで活用できます。
(4) ×:基準が規定する「鑑定評価に必要となる専門性の高い個別的要因に関する調査」の項目と、ERに記載される調査項目は通常一致しません。ERは投資判断等のために作成されるもので目的が異なるため、鑑定評価に必要な項目が欠けていたり、逆に不要な項目が含まれていたりします。だからこそ活用の可否を項目ごとに検討する必要があります。
(5) ×:ERに記載された数値をそのまま採用する必要はありません。不動産鑑定士が内容を理解し、主体的に判断した上で採否を決めます。
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