平成30年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問7
総論第4章C 標準
不動産の価格に関する諸原則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 不動産の価格は、多数の価格形成要因の相互因果関係の組合せの流れである変動の過程において形成されるものである。したがって、不動産の鑑定評価に当たっては、価格形成要因が常に変動の過程にあることを認識して、各要因間の相互因果関係を動的に把握すべきであるが、不動産の価格がいつ現在のものであるか示す必要があり、不動産鑑定評価基準において、鑑定評価の基本的事項で価格時点を明らかにすべきことを要請されるのは、変動の原則によるものである。
(2) 不動産鑑定評価基準において、不動産の自然的特性の1つに非代替性が挙げられているが、不動産から得られる効用につき代替性が認められる場合がある。これは代替の原則を示すものである。
(3) 不動産の鑑定評価に当たっては、最有効使用の原則を前提として不動産の価格を把握しなければならないが、この場合の最有効使用とは、現実の社会経済情勢の下で客観的にみて、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法である。このため、不動産の現実の使用方法が、不合理な又は個人的な事情により十分な効用を発揮していない場合があることに留意しなければならない。
(4) 不整形な土地に隣接する土地を買収して整形な土地にする場合、その買収の適否を決定するとともに買収後の土地の価格及び当該隣接地の価格を算定することが可能である。これは適合の原則によるところである。
(5) 不動産の価格は、価格形成要因の変化についての予測によって左右されるものである。したがって、不動産の鑑定評価にあたっては、価格形成要因がどのように変化するかについて的確に予測しなければならず、不動産鑑定士は十分に合理的かつ客観的な予測を行い、その推移及び動向を分析しなければならない。これは予測の原則によるところである。
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正解:(4)
解説
【正解 (4)】誤っているのは(4)です。
(4) ×:不整形な土地に隣接地を買収して整形地とする場合の買収の適否の判断は、追加投資がその不動産全体の価値にどれだけ寄与するかという「寄与の原則」によります。適合の原則は、不動産がその環境に適合しているかどうかを問題とする原則であり、場面が異なります。
(1) ○:価格時点を明らかにすべきことが要請されるのは、価格形成要因が常に変動の過程にあるという変動の原則によるものです。
(2) ○:不動産には非代替性という自然的特性がありますが、効用について代替性が認められる場合があり、これが代替の原則です。
(3) ○:最有効使用は、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法であり、現実の使用方法が不合理な又は個人的な事情により十分な効用を発揮していない場合があることに留意しなければなりません。
(5) ○:予測の原則に関する記述として正しく、不動産鑑定士には十分に合理的かつ客観的な予測が求められます。
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