令和2年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問35
各論第3章A 最重要
証券化対象不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 証券化対象不動産については、関係者が多岐にわたり利害関係が複雑であることも多いことから、依頼者と証券化関係者との資本関係の有無等を鑑定評価報告書に記載しなければならないが、関与不動産鑑定士の対象不動産に関する利害関係等を記載することは求められていない。
(2) 不動産鑑定士は、証券化対象不動産の鑑定評価の依頼者のみならず、広範な投資家等に重大な影響を及ぼすことを考慮するとともに、不動産鑑定評価制度に対する社会的信頼性の確保等について重要な責任を有していることを認識し、証券化対象不動産の鑑定評価の手順について常に最大限の配慮を行いつつ、鑑定評価を行わなければならない。
(3) 証券化対象不動産の鑑定評価を複数の不動産鑑定士が共同して行う場合、それぞれの不動産鑑定士の役割を明確にした上で、すべての不動産鑑定士が一体となって鑑定評価の業務を遂行しなければならない。
(4) 処理計画の策定に当たっての確認については、対象不動産の鑑定評価を担当する不動産鑑定士以外の者が行う場合もあり得るが、当該不動産鑑定士が鑑定評価の一環として責任を有するものであることに留意しなければならない。
(5) 証券化対象不動産の未竣工建物等鑑定評価は、工事の中止、工期の延期又は工事内容の変更が発生した場合に生じる損害が、当該不動産に係る売買契約上の約定や各種保険等により回避されない場合は、行うことができない。
正解と解説を見る
正解:(1)
解説
【正解 (1)】誤っているのは(1)です。
(1) ×:関与不動産鑑定士及び関与不動産鑑定業者の対象不動産に関する利害関係等は、総論第9章第2節Ⅸの記載事項であり、あらゆる鑑定評価報告書に記載しなければならない事項です。証券化対象不動産では、これに加えて依頼者と証券化関係者との関係等の記載が求められるのであって、基本の記載事項が免除されるわけではありません。加重されこそすれ、軽減されることはないと考えてください。
(2) ○:不動産鑑定士は、依頼者のみならず広範な投資家等に重大な影響を及ぼすことを考慮し、社会的信頼性の確保等について重要な責任を有することを認識して、手順について常に最大限の配慮を行わなければなりません。
(3) ○:複数の不動産鑑定士が共同して行う場合は、それぞれの役割を明確にした上で、全員が一体となって業務を遂行しなければなりません。
(4) ○:処理計画の策定に当たっての確認を担当鑑定士以外の者が行う場合もあり得ますが、当該不動産鑑定士が鑑定評価の一環として責任を有します。
(5) ○:証券化対象不動産の未竣工建物等鑑定評価は、工事の中止等により生じる損害が売買契約上の約定や各種保険等により回避されることが要件の一つとされています。
📖 関連するテキスト:42-1 各論第3章の全体像と証券化対象不動産の意義(鑑トレの会員ページ)