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令和4年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問1

総論第1章C 標準

不動産とその価格の特徴に関する次のイからホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組合せはどれか。

イ 土地の人文的特性の1つである「併合及び分割の可能性」の併合の例として、借地権付建物の所有者が敷地の所有権を取得するケースがあげられる。この場合、併合後の建物及びその敷地の正常価格は、併合前の借地権付建物の正常価格と底地の正常価格の合計に等しい。

ロ 価格と賃料の間には、いわゆる元本と果実との間に認められる相関関係を認めることができるから、築年の経過した建物を新たに賃貸する場合において、自用の建物及びその敷地の最有効使用が「建物を取り壊して更地化すること」と判定されるときは、その果実としての賃料は、ゼロとなる。

ハ 土地は人文的特性として「用途の多様性」を有し、異なった使用方法を前提とする需要が競合する。更地の最有効使用としては、それらのうちから1つの使用方法を判定することとなるが、一棟の建物内において、複数用途が併存する使用方法を最有効使用と判定することは有効といえる。

ニ 不動産は他の不動産とともにある地域を構成し、当該地域は、他の地域と区別されるべき特性を有する。不動産の種別の分類は、このような不動産の地域性と地域の特性が前提となっており、不動産の鑑定評価における各手順を通じて重要な事項となっている。

ホ 不動産には、所有権のほか、地上権、地役権、賃借権等各種の権利利益が存立することが可能であるが、各々の価格(又は賃料)は別々の市場において形成されるため、相互に影響を及ぼさないことに留意が必要である。

(1) イとロとホ
(2) ロとハとホ
(3) ハとニとホ
(4) イとロとハとホ
(5) ロとハとニとホ

正解と解説を見る

正解:(1)

解説

【正解 (1)】誤りはイ・ロ・ホです。土地の特性と不動産の価格の特徴に関する総合問題です。 イ ×:併合の例としては適切ですが、併合により増分価値が生じ得るため、併合後の正常価格が併合前の借地権付建物の正常価格と底地の正常価格の合計に等しくなるとは限りません(限定価格が問題となる典型場面です。総論第1章・総論第5章)。 ロ ×:価格と賃料には元本と果実の相関関係が認められますが、最有効使用が取壊し・更地化と判定される建物でも、現に新たに賃貸すれば賃料は発生し得るのであり、果実としての賃料が当然にゼロとなるわけではありません(総論第1章)。 ハ ○:土地は人文的特性として用途の多様性を有し、一棟の建物内で複数用途が併存する使用方法を最有効使用と判定することも有効です(総論第1章、総論第6章)。 ニ ○:不動産の種別の分類は不動産の地域性と地域の特性を前提とし、鑑定評価の各手順を通じて重要な事項となっています(総論第2章)。 ホ ×:不動産に存立する所有権・地上権・賃借権等の各種の権利利益の価格(賃料)は、相互に関連し影響を及ぼし合うものであり、「相互に影響を及ぼさない」とする点が誤りです(総論第1章)。 【学習ポイント】「併合後=単純合計」「賃料はゼロ」「相互に影響しない」といった言い切りは誤りの典型パターンです。併合・分割による増分価値(限定価格)とセットで押さえましょう。

📖 関連するテキスト:1-1 不動産の概念と鑑定評価の対象(鑑トレの会員ページ)

この問題に出てくる用語

併合及び分割の可能性用途の多様性最有効使用正常価格限定価格所有権地上権地役権

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出典:令和4年不動産鑑定士試験 短答式試験(国土交通省)を加工して作成。解説は鑑トレが作成。