令和7年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問23
総論第9章C 標準
鑑定評価報告書に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 鑑定評価報告書は、不動産の鑑定評価の成果を記載した文書であり、不動産鑑定士が自己の専門的学識と経験に基づいた判断と意見を表明し、その責任を明らかにすることを目的とするものである。
(2) 鑑定評価報告書は、依頼者のみならず第三者に対しても影響を及ぼすものであるから、その作成に当たっては、誤解の生ずる余地を与えないよう留意するとともに、特に鑑定評価額の決定の理由については、十分に説明し得るものとするように努めなければならない。
(3) 実地調査、聴聞、公的資料の確認等により確認した事項については、後日疑義が生じることのないように、当該事項とともに確認方法及び確認資料について記載する。
(4) 実地調査の一部を実施することができなかった場合にあっては、その理由を記載しなければならない。
(5) 鑑定評価の依頼目的に対応した条件により、鑑定評価報告書に記載した価格又は賃料の種類について、鑑定評価の依頼目的に対応した条件により、当該価格又は賃料を求めるべきと判断した理由を記載しなければならない。特に、特殊価格を求めた場合には法令等による社会的要請の根拠を明らかにしなければならない。
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正解:(5)
解説
【正解 (5)】「法令等による社会的要請」は特定価格の定義要素であり、特殊価格に関する記載事項ではありません。
(1) ○:鑑定評価報告書の意義(専門的学識と経験に基づく判断と意見の表明、責任の明確化)に関する基準総論第9章の記述のとおりです。
(2) ○:鑑定評価報告書は依頼者のみならず第三者にも影響を及ぼすため、誤解の余地を与えず、鑑定評価額の決定の理由を十分に説明し得るものとするよう努めるべきです(基準総論第9章)。
(3) ○:実地調査、聴聞、公的資料の確認等により確認した事項については、確認方法及び確認資料とともに記載すべきです(基準総論第9章・留意事項)。
(4) ○:実地調査の一部を実施することができなかった場合には、その理由を記載しなければなりません(基準総論第9章)。
(5) ×:価格又は賃料の種類とそれを求めるべきと判断した理由の記載は必要ですが、特殊価格を求めた場合に「法令等による社会的要請の根拠」を明らかにするという定めはありません。法令等による社会的要請を背景とする評価目的は「特定価格」の定義に含まれる要素です(基準総論第5章・第9章)。
【学習ポイント】特定価格(市場性を有する不動産・法令等による社会的要請)と特殊価格(市場性を有しない不動産・文化財等)の定義要素の入替えは超頻出のひっかけです。
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