令和8年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問23
総論第8章C 標準
鑑定評価の手順に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 鑑定評価に当たっては、鑑定評価の基本的事項を確定するため、鑑定評価の依頼目的、条件及び依頼が必要となった背景について依頼者に明瞭に確認するものとする。
(2) 依頼者と関与不動産鑑定士との関係について、特別の資本的関係とは、当該依頼者の議決権につきその2割以上を当該不動産鑑定士が保有している場合その他これと同等以上の資本的関係がある場合の当該関係である。
(3) 処理計画の策定に当たっては、依頼者に対し、対象不動産の実地調査の範囲や他の専門家による調査結果等の活用の要否などについて、明瞭に確認しなければならない。
(4) 資料の収集及び整理において、事例資料としては、建設事例、取引事例、収益事例、賃貸借等の事例等があげられる。なお、鑑定評価先例価格及び売買希望価格等については、事例資料ではないが、鑑定評価に当たって参考資料とし得る場合がある。
(5) 価格形成要因について、一定の要件の下で、調査範囲等条件を設定して鑑定評価を行うことはできるが、自己の調査分析能力の範囲内であっても当該要因に係る価格形成上の影響の程度を推定して鑑定評価を行うことはできない。
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正解:(5)
解説
【正解 (5)】調査範囲等条件の設定と並び、自己の調査分析能力の範囲内での合理的な推定による鑑定評価も認められています。
(1) ○:鑑定評価の依頼目的、条件及び依頼が必要となった背景を依頼者に明瞭に確認します(基準総論第8章)。
(2) ○:特別の資本的関係(議決権の2割以上の保有その他これと同等以上の資本的関係)の説明のとおりです(留意事項)。
(3) ○:処理計画の策定に当たり、実地調査の範囲や他の専門家による調査結果等の活用の要否等を依頼者に明瞭に確認します(留意事項)。
(4) ○:事例資料の内容と、鑑定評価先例価格・売買希望価格等の参考資料としての位置づけのとおりです(留意事項)。
(5) ×:価格形成要因について通常の調査の範囲では事実の確認が困難な場合、調査範囲等条件を設定する方法のほか、自己の調査分析能力の範囲内で合理的な推定を行って鑑定評価を行うことも認められています。「推定して行うことはできない」とする点が誤りです(基準総論第8章)。
【学習ポイント】要因調査の限界への対応は「①調査範囲等条件の設定」「②合理的な推定」の二本立てです。片方を否定する肢は誤りです。
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