平成27年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問8
総論第3章B 重要
価格形成要因に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 眺望や景観は、住宅地域においては主要な地域要因の1つだが、工業地域においては住宅地域ほど重要ではない。
(2) 住宅地において地積は主な個別的要因の1つであるが、その価格形成への影響の程度は価格時点が異なれば同じ土地でも変わり得る。
(3) 顧客の流動の状態との適合性は、商業地の主な個別的要因の1つであり、ここでいう「顧客の流動」とは、顧客層やそのニーズの変化のことではなく、顧客となる人々の通行量や経路などのことである。
(4) 商業地域から住宅地域へ移行しつつある地域に存する土地(移行地)については、住宅地としての個別的要因を常に重視すべきである。
(5) 多岐にわたる価格形成要因のうち何を重視すべきであるかは、市場参加者の観点から考えるべきである。
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正解:(4)
解説
【正解 (4)】誤っているのは(4)です。
(4) ×:基準は、転換又は移行しつつある地域については移行後の種別の要因をより重視すべきとしつつ、「転換又は移行の程度の低い場合においては、転換前又は移行前の種別の地域の要因によって判断すべき」と定めています。移行の程度が低ければ移行前(商業地)の要因で判断することになるので、「常に重視すべき」は誤りです。この「なお書き」は地域要因・個別的要因の双方に置かれています。
(1) ○:眺望・景観は住宅地域では快適性を左右する主要な地域要因ですが、工業地域では生産効率や輸送利便が重視されるため相対的な重要性は下がります。
(2) ○:地積の影響は、市場の需給や規模に対する市場参加者の選好の変化によって変わります。同じ土地でも価格時点が異なれば影響の程度は変わり得ます。
(3) ○:商業地の個別的要因の「顧客の流動の状態との適合性」は、人の流れ(通行量や経路)に対して当該画地の位置・間口等が適合しているかを問うものです。顧客層の変化は一般的要因・地域要因の側で捉えます。
(5) ○:平成26年改正で明記された考え方で、建物の個別的要因にも「市場参加者が取引等に際して着目するであろう個別的要因が、建物の用途毎に異なることに留意する必要がある」と付記されています。
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