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平成28年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問29

各論第1章A 最重要

借地権、底地及び借地権付建物の鑑定評価に関する次のイからホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組み合わせはどれか。なお、借地契約の内容は、「定期借地権等(借地借家法第二章第四節に規定する定期借地権等)」であることを前提とする。

イ 借地契約に当たり、契約締結時に前払地代により地代が支払われた場合と毎月地代が支払われる場合とでは、借地全期間における支払地代の総額は同じであることから、これらの地代の支払方法の違いが、借地権価格や底地価格に影響を及ぼすことはない。

ロ 借地権の鑑定評価に当たっては、契約期間中に建物の建築及び解体が行われる場合における建物の使用収益が期待できない期間を適切に考慮する必要があるが、この考え方は、原則として底地の鑑定評価においても同様である。

ハ 借地期間の残存期間が短い底地の鑑定評価に当たっては、対象不動産の更地としての価格に特に留意をするとともに、収益還元法の適用は、永久還元式による直接還元法ではなく、DCF法や有期還元法を適用する。

ニ 借地借家法第22 条の規定に基づき定期借地契約が有効に成立している場合における借地権及び底地の鑑定評価に当たっては、借地期間満了時において、借地権者が借地権設定者に対し、借地上の建物について買取り請求がなされる可能性を考慮する必要はない。

ホ 借地権単独では取引の対象とされず、借地権の取引価格が観察されない場合であっても、借地権付建物一体として取引対象となることで、借地権価格が顕在化する場合には、借地権付建物の鑑定評価に当たり、顕在化する借地権価格を適切に査定する必要がある。

(1) イとロ
(2) イとニ
(3) ロとハ
(4) ニとホ
(5) イとロとニ

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正解:(1)

解説

【正解 (1)】誤っているのはイ・ロです。 イ ×:前払地代として契約締結時に一括して支払う場合と毎月支払う場合とでは、名目上の総額が同じでも資金の時間価値が異なります。借地権設定者は前払により運用益を得られ、借地権者はその機会を失うため、借地権価格・底地価格に影響します。 ロ ×:「契約期間中に建物の建築及び解体が行われる場合における建物の使用収益が期待できない期間」は、定期借地権の鑑定評価において勘案する事項(ケ)です。定期借地権の付着している宅地(底地)の評価で勘案するのは(ア)から(ク)までであり、(ケ)は含まれません。借地権者にとっての使用収益できない期間の問題だからです。 ハ ○:残存期間が短い底地は、期間満了により復帰する経済的利益の比重が大きくなるため、更地としての価格に留意し、永久還元式ではなくDCF法や有期還元法を適用します。 ニ ○:借地借家法第22条の一般定期借地権は建物買取請求をしない旨の特約を伴うものですから、買取請求の可能性を考慮する必要はありません。 ホ ○:借地権単独の取引がなくても、借地権付建物として取引され借地権価格が顕在化する場合には、その価格を適切に査定する必要があります。

📖 関連するテキスト:37-1 借地権付建物の意義(鑑トレの会員ページ)

この問題に出てくる用語

一般定期借地権収益還元法直接還元法有期還元法DCF法

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出典:平成28年不動産鑑定士試験 短答式試験(国土交通省)を加工して作成。解説は鑑トレが作成。