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平成29年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問9

総論第3章B 重要

建物に係る価格形成要因に関する次のイからホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組合せはどれか。

イ 建物の維持管理の状態の良否は、建物の再調達原価及び将来見込まれる修繕費用の多寡に影響を与えるものであり、対象不動産の価格形成に大きな影響を及ぼす可能性がある。

ロ 建物の公法上及び私法上の規制、制約等について、新築時における遵法性の確認を行う必要はない。

ハ 住宅については、内装や設備等のリフォームによる機能回復・向上や、これらに関するインスペクション等による住宅の状態の精緻な把握、修繕履歴等の把握が、対象不動産の価格形成に影響を及ぼす可能性がある。

ニ 住宅性能表示のある住宅や長期優良住宅については、それらの有する建物性能等に加え、それらが受けられる住宅ローン優遇や税制上の優遇についても鑑定評価に当たり考慮する必要がある。

ホ 建物とその環境との適合の状態が悪い場合には、建物が新築であっても、建物の鑑定評価額が、その再調達原価を下回ることもあり得る。

(1) イとロ
(2) イとハ
(3) イとホ
(4) ロとハ
(5) ハとニ

正解と解説を見る

正解:(1)

解説

【正解 (1)】誤っているのはイ・ロです。 イ ×:再調達原価とは、価格時点において対象不動産を新たに調達することを想定した場合に必要とされる適正な原価の総額です。既存建物の維持管理の状態は、減価修正(観察減価法)や将来見込まれる修繕費用に影響しますが、再調達原価そのものには影響しません。「再調達原価及び将来の修繕費用の多寡に影響」とする点が誤りです。 ロ ×:公法上及び私法上の規制、制約等については、増改築等や用途変更が行われている場合の法令遵守の状況に特に留意する必要があるとされています。新築時の遵法性の確認も当然必要であり、違反建築物は是正費用や取引の可否を通じて価格形成に大きく影響します。「確認を行う必要はない」は明らかに誤りです。 ハ ○:住宅については、リフォームによる機能回復・向上、インスペクションによる状態把握、修繕履歴等が価格形成に影響し得ます。 ニ ○:住宅性能表示や長期優良住宅は、建物性能そのものに加え、住宅ローン優遇や税制優遇を通じて需要に影響するため、これらも考慮します。 ホ ○:建物とその環境との適合の状態が悪ければ、新築であっても適合の原則による減価が生じ、鑑定評価額が再調達原価を下回ることがあり得ます。

📖 関連するテキスト:6-1 価格形成要因と一般的要因の意義(鑑トレの会員ページ)

この問題に出てくる用語

価格形成要因再調達原価観察減価法違反建築物価格時点減価修正

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出典:平成29年不動産鑑定士試験 短答式試験(国土交通省)を加工して作成。解説は鑑トレが作成。