平成30年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問12
総論第5章A 最重要
鑑定評価の価格又は賃料の種類に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 文化財の指定を受けた一般的に市場性を有しない不動産について特殊価格を求める際には、その保存等に主眼をおきつつ、文化財的な価値も含めて鑑定評価を行う。
(2) 限定価格を求めるのは、借地権者が底地の併合を目的とする売買に関連する場合と隣接不動産の併合を目的とする売買に関連する場合に限られる。
(3) 投資法人に係る特定資産としての不動産を譲渡する時に依頼される場合、正常価格ではなく特定価格として鑑定評価を行うことが認められている。
(4) 鑑定評価によって求める価格の種類は、基本的には正常価格であるが、不動産鑑定士の判断によって限定価格又は特定価格を求めることができる。
(5) 正常価格は、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいうが、この場合の現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場とは、市場参加者が自由意思に基づいて市場に参加し、参入、退出が自由な市場を指す。
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正解:(5)
解説
【正解 (5)】正しいのは(5)です。
(5) ○:正常価格の前提となる「現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場」の第一の要件は、市場参加者が自由意思に基づいて市場に参加し、参入、退出が自由であることです(総論第5章第3節Ⅰ1.)。
(1) ×:特殊価格は、市場性を有しない不動産についてその「利用現況等を前提とした」経済価値を適正に表示する価格です。文化財としての価値そのものを評価するものではありません。文化財的価値は市場で取引されるものではないためです。
(2) ×:限定価格を求める場合として、借地権者による底地の併合、隣接不動産の併合のほか「経済合理性に反する不動産の分割を前提とする売買に関連する場合」も例示されています。
(3) ×:投資法人等が投資対象資産を譲渡するときに依頼される鑑定評価で求める価格は、正常価格として求めることに留意すべきものとされています。
(4) ×:求める価格の種類は、依頼目的に対応した条件を踏まえて判断・明確化されるものです。不動産鑑定士が任意に選択できるものではありません。
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