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平成30年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問38

各論第3章A 最重要

証券化対象不動産の評価におけるDCF法の収益費用項目に関する次のイからホまでの記述のうち、適切なものをすべて掲げた組合せはどれか。

イ 賃貸借契約書によると、保証金100 万円について、契約期間中は無利息で賃借人から賃貸人へ預託されるものであり、価格時点からちょうど2年後の契約終了時には、そのうち10 %が償却され、残額が返還されるものと記載されている。このとき、2年度に10 万円を「その他収入」に計上し、1~2年度の各「一時金の運用益」に運用利回りを0.1 %と判断のうえ各0.1 万円を計上した。

ロ 価格時点において対象オフィスビルの貸室は満室稼働であり、契約締結の経緯や契約内容等を踏まえると、今後3年程度は退去しないものと想定される。一方、駐車場の稼働率は30 %と低位である。外部のテナントへ賃貸借できるような建物構造ではないため、今後3年間の駐車場稼働率を30 %で推移するものと想定した。

ハ プロパティマネジメント(PM)は、広義には、ビルメンテナンス(BM)やコンストラクションマネジメント(CM)及びリーシングマネジメント(LM)を含むものであり、維持管理費やテナント募集費用等にも横断・重複する場合もある。したがって、PMフィーの計上においては、対象となる業務範囲を確認し、他の費用項目との整合性を確保する必要がある。

ニ 土地に関する固定資産税・都市計画税について、初年度については実額を計上したが、次年度以降については、地価公示地等の公的価格の推移や各種軽減措置等を考慮の上、予測した数値を計上した。

ホ 依頼者から受領した対象不動産の収支実績表には信託報酬及び減価償却費の費用計上があったが、鑑定評価ではDCF法における収益費用項目として計上しなかった。同様に、直接還元法においても計上しなかった。

(1) イとハとニ
(2) イとハとホ
(3) ロとニとホ
(4) ロとハとニとホ
(5) すべて適切である

正解と解説を見る

正解:(5)

解説

【正解 (5)】イからホまですべて適切です。 イ ○:償却される保証金は返還されない部分であり、償却が確定する2年度に10万円を「その他収入」に計上します。あわせて預託を受けている期間(1〜2年度)については運用益を「一時金の運用益」として計上します。両者を区別して扱う点が要点です。 ロ ○:駐車場が外部テナントへ賃貸できる構造でない以上、貸室の稼働と連動しない低位な稼働率がそのまま継続すると想定するのは合理的です。貸室が満室だからといって駐車場の稼働率を引き上げるのは適切ではありません。 ハ ○:PMフィーの対象業務はBM・CM・LM等と重複することがあるため、業務範囲を確認して維持管理費やテナント募集費用との二重計上を避ける必要があります。 ニ ○:土地の公租公課は、初年度は実額、次年度以降は公的価格の推移や負担調整措置・軽減措置を踏まえた予測値を計上します。 ホ ○:信託報酬は不動産そのものの費用ではなく証券化スキームに係る費用であり、減価償却費は償却前純収益を前提とするため、いずれも収益費用項目には計上しません。直接還元法でも同様です。

📖 関連するテキスト:42-1 各論第3章の全体像と証券化対象不動産の意義(鑑トレの会員ページ)

この問題に出てくる用語

証券化対象不動産直接還元法価格時点減価償却純収益賃貸借

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出典:平成30年不動産鑑定士試験 短答式試験(国土交通省)を加工して作成。解説は鑑トレが作成。