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令和6年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問2

総論第1章C 標準

不動産の価格及び賃料に関する次のイからホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組合せはどれか。

イ 不動産は他の一般の諸財と異なる特徴を有しているため、社会における一連の価格秩序のなかで、不動産の価格及び賃料がどのような所に位するかを指摘する意味を持つ不動産の鑑定評価の社会的公共的意義は大きい。

ロ 不動産の鑑定評価とは、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格を、不動産鑑定士が的確に把握する作業に代表されるが、不動産鑑定士は、不動産が市場性を有しない場合にもその経済価値を判定する場合がある。

ハ 不動産の現実の取引価格等は、取引等の必要に応じて個別的に形成されるのが通常であるため、不動産の鑑定評価においても常に個別的な事情を前提とする価格を求める。

ニ 不動産の経済価値は、一般に、交換の対価である価格として表示されるとともに、その用益の対価である賃料として表示される。価格と賃料との間には、いわゆる元本と果実との間に認められる相関関係があり、価格と賃料のいずれについても、その関係性に着目した鑑定評価の手法がある。

ホ 二つ以上の権利利益が同一の不動産の上に存する場合には、それぞれの権利利益について、その価格(又は賃料)が形成され得るが、ある不動産についての所有権の価格を求める場合には、当該不動産の使用、収益、処分について、何らの制約のない価格を求める。

(1) イとロ
(2) イとニ
(3) ロとホ
(4) ハとニ
(5) ハとホ

正解と解説を見る

正解:(5)

解説

【正解 (5)】誤りはハとホ。鑑定評価の社会的意義と価格・賃料の基礎概念を問う問題です。 イ ○:不動産の価格及び賃料が社会における一連の価格秩序の中でどのような所に位するかを指摘する鑑定評価の社会的公共的意義は大きいとされています(基準総論第1章)。 ロ ○:鑑定評価は市場価値を表示する適正な価格の把握が代表的な作業ですが、文化財等のように市場性を有しない不動産についてその経済価値を判定する場合(特殊価格)もあります(基準総論第1章・第5章)。 ハ ×:現実の取引価格等は個別的に形成されるのが通常ですが、鑑定評価は原則として個別的な事情を捨象した市場価値(正常価格)を求めるものであり、「常に個別的な事情を前提とする価格を求める」は誤りです。 ニ ○:価格と賃料との間には元本と果実との間に認められる相関関係があり、収益還元法等この関係性に着目した手法があります。 ホ ×:所有権の価格であっても、区分地上権等の他の権利利益が同一不動産上に存する場合にはその制約を反映した価格が形成されるため、「何らの制約のない価格を求める」は誤りです(基準総論第1章)。 【学習ポイント】「常に」「必ず」「何らの〜ない」等の断定・限定表現は誤り肢の合図になりやすいです。二つ以上の権利利益が同一の不動産の上に存する場合には権利利益ごとに価格が形成され得る点を押さえましょう。

📖 関連するテキスト:1-1 不動産の概念と鑑定評価の対象(鑑トレの会員ページ)

この問題に出てくる用語

収益還元法正常価格特殊価格市場性所有権地上権

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出典:令和6年不動産鑑定士試験 短答式試験(国土交通省)を加工して作成。解説は鑑トレが作成。