平成28年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問25
総論第9章C 標準
鑑定評価報告書に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 投資法人等が投資対象不動産を譲渡するときに依頼される鑑定評価においては、依頼目的に対応した条件により特定価格を求めることとなるため、かっこ書きで正常価格である旨を付記して正常価格の額を併記しなければならない。
(2) 対象不動産の物的確認及び権利の態様の確認について、後日対象不動産の現況把握に疑義が生ずる場合があることを考慮して、「実地調査を行った年月日」、「実地調査を行った不動産鑑定士の氏名」、「立会人の氏名及び職業」、「実地調査を行った範囲(内覧の実施の有無を含む。)」、「実地調査の一部を実施することができなかった場合にあっては、その理由」の各事項を記載しなければならない。
(3) 同一の不動産の再評価を行う場合において内覧の全部又は一部の実施を省略した場合には、当該不動産の個別的要因に重要な変化がないと判断した根拠について記載する。
(4) 鑑定評価の依頼目的に対応した条件により、特定価格を求めた場合には、当該価格を求めるべきと判断した理由、すなわち法令等による社会的要請の根拠を記載しなければならない。
(5) 鑑定評価の手法の適用について、対象不動産の種別及び類型並びに賃料の種類に応じた、不動産鑑定評価基準各論第1章から第3章に規定する鑑定評価の手法の適用ができない場合には、対象不動産の市場の特性に係る分析結果等に照らし、その合理的な理由を記載する。
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正解:(1)
解説
【正解 (1)】誤っているのは(1)です。
(1) ×:投資法人等が投資対象不動産を「譲渡」する際の鑑定評価は、取得時のように投資家に示すための投資採算価値を求めるものではなく、通常は正常価格を求めます。特定価格となる前提が誤りです。また、かっこ書きで正常価格である旨を付記して併記するのは、正常価格を求めることができる不動産について限定価格又は特定価格を求めた場合であり、この場面の説明としても誤りです。
(2) ○:総論第9章第2節Ⅳのとおり、実地調査を行った年月日、実地調査を行った不動産鑑定士の氏名、立会人の氏名及び職業、実地調査を行った範囲(内覧の実施の有無を含む)、実地調査の一部を実施できなかった場合はその理由を記載しなければなりません。
(3) ○:内覧の全部又は一部を省略した場合には、個別的要因に重要な変化がないと判断した根拠を記載します。
(4) ○:特定価格を求めた場合には、法令等による社会的要請の根拠を記載します(特殊価格の場合は文化財の指定の事実等)。
(5) ○:各論に規定する手法を適用できない場合には、市場の特性に係る分析結果等に照らして合理的な理由を記載します。
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