平成29年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問18
総論第7章A 最重要
原価法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 対象不動産が土地のみの場合でも、当該土地が最近において山林から造成された宅地で、当該山林の買収価格、実際の造成費の額及びこれらの明細が判明している場合には、これらの明細を分析して適切に補正し、かつ、必要に応じて時点修正を行って再調達原価を求めることができる。
(2) 対象不動産が15年前に建設された居宅で、当該建設費の明細は不明であるものの、その総額が判明している場合には、直接法を適用して再調達原価を求めることができる。
(3) 減価の要因のうち機能的要因の例としては、近隣地域の繁華性の衰退により、店舗ビルとして利用することが経済合理性を欠く場合が挙げられる。
(4) 建物が修繕若しくは増築されている場合には、当該修繕若しくは増築にかかったすべての費用を再調達原価に反映させる。
(5) 建物及びその敷地の評価においては、土地及び建物の再調達原価についてそれぞれ減価修正を行ったときは、さらにそれらを加算した額について減価修正を行うべきではない。
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正解:(1)
解説
【正解 (1)】正しいのは(1)です。
(1) ○:土地についても再調達原価を適切に求められるときは原価法を適用できます。素地(山林)の買収価格、実際の造成費の額及びこれらの明細が判明している場合には、明細を分析して適切に補正し、必要に応じて時点修正を行って再調達原価を求めることができます(総論第7章第1節Ⅱ2.(2)③ア)。
(2) ×:直接法は、使用資材の種別・品等・数量、所要労働の種別・時間等を調査して直接工事費を積算する方法です。建設費の総額だけが判明していても、明細が不明であれば直接法は適用できません。
(3) ×:近隣地域の繁華性の衰退により経済合理性を欠く場合は「経済的要因」による減価です。機能的要因は、建物と敷地との不適応、設計の不良、型式の旧式化、設備の不足及びその能率の低下等の機能的陳腐化をいいます。
(4) ×:修繕・増築に要した費用がそのまま再調達原価に反映されるわけではありません。再調達原価は価格時点において新たに調達する場合の適正な原価であり、実際の支出額とは区別されます。
(5) ×:運用上の留意事項は、土地及び建物の再調達原価についてそれぞれ減価修正を行った上で、さらにそれらを加算した額について減価修正を行う場合があるとしています。ただし同一の減価の要因について重複して考慮しないよう留意が必要です。
📖 関連するテキスト:17-1 減価修正の意義(鑑トレの会員ページ)