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平成29年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問36

各論第3章A 最重要

証券化対象不動産の鑑定評価に関する次のイからホまでの記述のうち、正しいものをすべて掲げた組合せはどれか。

イ 東京証券取引所1部上場の総合不動産会社が取得予定である大規模オフィスビルは、すべて証券化対象不動産に該当するので、必ず不動産鑑定評価基準各論第3章を適用して鑑定評価を行う必要がある。

ロ ホテル等の事業経営の動向に強く影響を受ける事業用不動産における個別的要因の調査等に当たっては、20年間の固定賃料型の賃貸借契約が締結されている場合であっても、事業収支に関する資料の収集及び分析を行う必要がある。

ハ 新規の証券化対象不動産の取得時の鑑定評価における実地調査において、対象不動産の類型が更地や底地である場合や、対象確定条件として未竣工建物等鑑定評価を設定した場合であって、不動産鑑定士の単独調査により十分な調査を行うことが可能な場合には、必ずしも依頼者等による立会いを要しない。

ニ 依頼者から受領したエンジニアリング・レポートがドラフト(草案)版である場合は、鑑定評価を行った日の前までに最終版を取得し、その内容に応じた鑑定評価を行う必要がある。

ホ 対象不動産の竣工年からは旧耐震基準に準拠した建物であると思われるが、エンジニアリング・レポート(地震リスク評価報告書)に記載されているPML値(地震による損失リスクの大きさを示す値)は低位であり、当該調査範囲において地震リスクは軽微であると判断できる。この場合においては、耐震改修の実施状況や耐震診断結果の報告書の有無について、依頼者へのヒアリング等による追加調査を行う必要はない。

(1) ロとハ
(2) ロとホ
(3) イとニとホ
(4) イとハとホ
(5) ロとハとニ

正解と解説を見る

正解:(5)

解説

【正解 (5)】正しいのはロ・ハ・ニです。 ロ ○:事業用不動産は事業経営の動向に強く影響を受けるため、長期の固定賃料型の賃貸借契約が締結されていても、賃料支払能力の裏付けとして事業収支に関する資料の収集及び分析が必要です。契約が固定賃料であることは、事業が破綻しても賃料が入り続けることを意味しません。 ハ ○:実地調査は依頼者等の立会いを得て行うことが原則ですが、対象不動産の類型が更地や底地である場合、未竣工建物等鑑定評価を設定した場合等で、不動産鑑定士の単独調査により十分な調査が可能なときは、必ずしも立会いを要しません。 ニ ○:エンジニアリング・レポートがドラフト版である場合は、鑑定評価を行った日の前までに最終版を取得し、その内容に応じた鑑定評価を行う必要があります。草案のまま評価に用いることはできません。 イ ×:証券化対象不動産に該当するのは、資産の流動化に関する法律や投資信託及び投資法人に関する法律に基づく不動産等、証券化のスキームに組み込まれる不動産です。上場企業が取得する大規模オフィスビルであっても、自社保有目的であれば証券化対象不動産には該当しません。取得者の属性や規模で決まるものではありません。 ホ ×:竣工年から旧耐震基準に準拠した建物と考えられる場合には、PML値が低位であっても、耐震改修の実施状況や耐震診断結果の報告書の有無について追加調査を行う必要があります。PMLは統計的な損失率の指標であり、法令上の耐震性の適合を示すものではありません。

📖 関連するテキスト:42-1 各論第3章の全体像と証券化対象不動産の意義(鑑トレの会員ページ)

この問題に出てくる用語

エンジニアリング・レポート未竣工建物等鑑定評価証券化対象不動産対象確定条件個別的要因賃貸借

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出典:平成29年不動産鑑定士試験 短答式試験(国土交通省)を加工して作成。解説は鑑トレが作成。