令和元年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問26
総論第9章C 標準
鑑定評価報告書に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 鑑定評価報告書は、不動産の鑑定評価の成果を記載した文書であり、不動産鑑定士が自己の専門的学識と経験に基づいた判断と意見を表明し、その責任を明らかにすることを目的とするもので、不動産鑑定士が不動産鑑定業者に報告するための文書である。
(2) 支払賃料の鑑定評価を依頼された場合における鑑定評価額の記載は、支払賃料である旨を付記して支払賃料の額を表示するとともに、当該支払賃料が実質賃料と同額である場合においては、実質賃料と同額である旨を併記すれば、かっこ書きで実質賃料である旨を付記して実質賃料の額を併記しなくてもよい。
(3) 賃貸マンションの鑑定評価において、実地調査を行う場合には、専用部分の内覧を行う必要があるが、賃借人との関係で内覧できなかった専用部分があるときは、内覧ができなかった理由を記載しなければならない。
(4) 依頼目的に応じ、個別的要因について想定上の条件を設定して鑑定評価を行う場合には、設定する想定上の条件が鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないかどうかの観点に加え、実現性及び合法性の観点から妥当であるものと判断した根拠を明らかにするとともに、当該想定上の条件が設定されていない場合の価格等の参考事項も必ず記載しなければならない。
(5) 鑑定評価の依頼目的に対応した条件により、当該価格又は賃料を求めるべきと判断した理由を記載しなければならない。特に、特定価格を求めた場合には法令等による社会的要請の根拠、また、特殊価格を求めた場合には文化財の指定の事実等を明らかにしなければならない。
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正解:(4)
解説
【正解 (4)】誤っているのは(4)です。
(4) ×:条件が設定されない場合の価格等の参考事項は、「必要があると認められるとき」に記載すべきものとされています(総論第9章第2節Ⅱ)。常に記載しなければならないわけではありません。条件の妥当性の根拠を明らかにする点は正しい記述です。
(1) ○:鑑定評価報告書は、不動産鑑定士が自己の専門的学識と経験に基づいた判断と意見を表明し、その責任を明らかにするための文書であり、不動産鑑定業者に報告するためのものです。依頼者に交付されるのは、これを実質的な内容とする鑑定評価書です。
(2) ○:支払賃料が実質賃料と異なる場合にはかっこ書きで実質賃料の額を併記しますが、同額である場合にはその旨を併記すれば足ります。
(3) ○:実地調査を行った範囲及び一部を実施できなかった場合のその理由を記載しなければなりません。
(5) ○:特定価格を求めた場合には法令等による社会的要請の根拠、特殊価格を求めた場合には文化財の指定の事実等を明らかにしなければなりません。
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