令和3年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問5
各論第1章A 最重要
不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 既存商業地において複数のマンションの建設が進んでいるなど、マンションを中心とした地域への移行が明らかな場合には、移行後の土地の種別である住宅地の個別的要因をより重視すべきである。
(2) 宅地見込地の鑑定評価においては、特に都市の外延的発展を促進する要因の近隣地域に及ぼす影響度、付近における公共施設及び公益的施設の整備の動向等を総合的に勘案するものとする。
(3) 代替性を有する2以上の財が存在する場合には、これらの財の価格は、相互に影響を及ぼして定まるものであり、不動産の価格も代替可能な他の不動産のほか、有価証券、貴金属といった財の価格と相互に関連して形成される。
(4) 住宅地域に存する不動産の鑑定評価を行うに当たっては、商業施設の配置の状態、洪水、地すべり等の災害の発生の危険性等の地域要因について、市場参加者の観点から明確に把握し、分析する必要がある。
(5) 農地を農地以外のものとするための取引における農地の鑑定評価額は、比準価格及び収益価格を関連づけて決定するものとし、再調達原価が把握できる場合には、積算価格をも比較考量して決定すべきである。
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正解:(5)
解説
【正解 (5)】誤っているのは(5)です。
(5) ×:農地を農地以外のものとするための取引に係る農地の鑑定評価額は、「比準価格を標準とし、収益価格を参考として」決定するものとされ、再調達原価が把握できる場合には積算価格をも「関連づけて」決定すべきものとされています(各論第1章第1節Ⅱ)。設問は比準価格と収益価格を並列に関連づけるとしている点、積算価格を比較考量にとどめている点の2か所で条文と異なります。転用を前提とする取引では、農地としての収益力よりも取引価格が価格形成を主導するため、比準価格が標準とされます。
(1) ○:移行地については、移行後の土地の種別の個別的要因をより重視すべきものとされています。
(2) ○:宅地見込地の鑑定評価では、都市の外延的発展を促進する要因の近隣地域に及ぼす影響度、公共施設及び公益的施設の整備の動向等を総合的に勘案します。
(3) ○:代替の原則に関する記述として正しく、不動産以外の財も代替財となり得ます。
(4) ○:商業施設の配置の状態や災害の発生の危険性は住宅地域の地域要因であり、市場参加者の観点から明確に把握・分析する必要があります。
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