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令和5年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問31

留意事項B 重要

観光地に立地するホテルの鑑定評価依頼があった。当該ホテルは、運営事業者に賃貸されている。次のイからホまでの記述のうち、正しいものをすべて掲げた組合せはどれか。

イ 不動産鑑定評価基準運用上の留意事項によると、事業用不動産には、ホテル等の宿泊施設のほか、レジャー施設、医療・福祉施設、商業施設が含まれ、一般の賃貸オフィスビルや賃貸マンションは含まない。

ロ ホテルの属する地域は、「主として繁華性、収益性等が極めて高い店舗が高度に集積している地域」とみられたため、地域の種別を一般高度商業地域と判定した。土地の種別は、対象不動産の更地としての最有効使用が、ホテルの敷地と判定されたため、複合高度商業地と判定した。

ハ コロナ禍による宿泊客の減少により、価格時点においてホテルが休業を余儀なくされている場合、求める価格の種類は必ず特定価格となる。

ニ 運営事業者との賃貸借契約において固定賃料が約定されている場合、対象不動産の価格は、運営事業者のホテル事業に係る事業採算性の影響を受けない。

ホ 運営事業者が通常より優れた能力を有することにより超過収益が生じている場合でも、賃貸借契約上の合意がない限り、当該超過収益は、事業用不動産に帰属しない。

(1) イとロ
(2) イとホ
(3) ロとハ
(4) ハとニ
(5) ニとホ

正解と解説を見る

正解:(2)

解説

【正解 (2)】事業用不動産(ホテル)の鑑定評価の出題で、正しいのはイとホです。 イ ○:留意事項にいう事業用不動産は、ホテル等の宿泊施設、レジャー施設、医療・福祉施設、商業施設等であり、一般の賃貸オフィスビルや賃貸マンションのような賃貸用不動産は含まれません。 ロ ×:「主として繁華性、収益性等が極めて高い店舗が高度に集積している地域」は、留意事項(総論第2章関係)が高度商業地域の細分類として掲げる「一般高度商業地域」の説明そのものであり、地域の種別を一般高度商業地域と判定した点は正しいものです。しかし土地の種別は地域の種別に応じて分類される土地の区分であり、地域の種別の細分に応じて細分されるため(基準総論第2章第1節Ⅱ)、地域の種別を一般高度商業地域と判定した以上、土地の種別は「一般高度商業地」となるべきです。「複合高度商業地」とする点が誤りです(複合高度商業地域は「店舗と事務所が複合して高度に集積している地域」)。 ハ ×:休業中であっても、求める価格の種類は依頼目的・条件に即して定まるものであり、「必ず特定価格となる」わけではありません。 ニ ×:固定賃料が約定されていても、賃料の負担力や契約継続の可能性等を通じて、運営事業者の事業採算性は対象不動産の価格に影響し得ます。 ホ ○:運営事業者の通常より優れた経営能力に起因する超過収益は、原則として当該事業者に帰属するものであり、不動産に帰属する純収益には含めません(留意事項)。 【学習ポイント】事業用不動産では「不動産に帰属する純収益」と「経営(事業者)に帰属する収益」の切り分けが最重要論点です。あわせて、土地の種別は地域の種別に対応して決まる(地域の種別の細分に応じて細分される)という総論第2章の関係も押さえましょう。

📖 関連するテキスト:36-1 貸家及びその敷地の意義(鑑トレの会員ページ)

この問題に出てくる用語

最有効使用特定価格価格時点純収益収益性賃貸借

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出典:令和5年不動産鑑定士試験 短答式試験(国土交通省)を加工して作成。解説は鑑トレが作成。