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令和5年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問30

各論第1章A 最重要

建物の鑑定評価に関する次のイ~ホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組合せはどれか。

イ 建物及びその敷地が一体として市場性を有する場合における建物のみの鑑定評価を行う場合は、その敷地と一体化している状態を前提として、その全体の鑑定評価額の内訳として建物について部分鑑定評価を行うものであるから、当該建物の敷地の価格形成要因も踏まえる必要がある。

ロ 建物及びその敷地が一体として市場性を有しない場合における建物のみの鑑定評価は、一般に特殊価格を求める場合に該当するものであり、文化財の指定を受けた建造物、宗教建築物又は現況による管理を継続する公共公益施設の用に供されている不動産のうち建物について、その有効活用に主眼を置いて行うものである。

ハ 建物に関する有害な物質の使用の有無及びその状態は、不動産鑑定士の通常の調査の範囲では、対象不動産の価格への影響の程度を判断するための事実の確認が困難な特定の価格形成要因の一つである。

ニ 建物の価格を求める手法のうち、原価法において、建物の再調達原価を求める場合、建物の増改築・修繕・模様替等は、その内容を踏まえ、すべてを再調達原価に反映させる必要がある。

ホ 建物に係る工事が完了していない建物について、当該工事の完了を前提として鑑定評価の対象とすることを対象確定条件とする場合には、対象不動産に係る諸事情についての調査及び確認を行った上で、建物入居予定者の利益を害するおそれがないかどうかの観点から当該条件の妥当性を確認しなければならない。

(1) イとロとハ
(2) イとロとニ
(3) イとハとホ
(4) ロとニとホ
(5) ハとニとホ

正解と解説を見る

正解:(4)

解説

【正解 (4)】建物の鑑定評価等の出題で、誤りはロ・ニ・ホです。 イ ○:建物及びその敷地が一体として市場性を有する場合の建物のみの鑑定評価は部分鑑定評価であり、敷地と一体化している状態を前提とするため、敷地の価格形成要因も踏まえる必要があります。 ロ ×:市場性を有しない不動産に係る建物のみの評価は特殊価格を求める場合に該当しますが、その主眼は「保存等」に置かれるものであり、「有効活用」ではありません(基準総論第5章)。 ハ ○:建物に関する有害な物質の使用の有無及びその状態は、通常の調査の範囲では事実の確認が困難な特定の価格形成要因の一つです(基準総論第5章)。 ニ ×:増改築・修繕・模様替等については、それらが建物の効用等に寄与する程度を考慮して適切に反映すべきであり、「すべてを再調達原価に反映させる」とする点が誤りです。 ホ ×:対象確定条件の妥当性は、対象不動産に係る諸事項についての調査及び確認を行った上で、依頼目的に照らして「鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないかどうか」の観点から確認するものです(基準総論第5章第1節Ⅰ2.)。「建物入居予定者の利益を害するおそれ」とする点が誤りです。なお未竣工建物等鑑定評価を行う場合は、この妥当性の検討に加え、竣工後の不動産の物的確認に必要な設計図書等及び権利の態様の確認のための請負契約書等を収集しなければならず、さらに法令上必要な許認可等が取得され、発注者の資金調達能力等の観点から工事完了の実現性が高いと判断されなければなりません(同2.なお書き)。 【学習ポイント】特殊価格=「保存等に主眼」。条件設定は、対象確定条件の妥当性=「鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないかどうか」、地域要因又は個別的要因についての想定上の条件=これに加えて「特に実現性及び合法性」(総論第5章第1節Ⅱ)と、要件を取り違えないよう区別して覚えましょう。

📖 関連するテキスト:34-1 建物の意義と評価の考え方(鑑トレの会員ページ)

この問題に出てくる用語

地域要因又は個別的要因についての想定上の条件未竣工建物等鑑定評価価格形成要因対象確定条件部分鑑定評価再調達原価特殊価格原価法市場性

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出典:令和5年不動産鑑定士試験 短答式試験(国土交通省)を加工して作成。解説は鑑トレが作成。