令和7年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問15
総論第7章A 最重要
DCF法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 対象不動産が更地である場合においても、当該土地に最有効使用の賃貸用建物等の建築を想定することにより、この方法を適用することができる。
(2) 建物等の純収益の算定においては、基本的には減価償却費を控除しない償却前の純収益を用いるものとし、建物等の償却については割引率において考慮される。
(3) 一時金のうち預り金的性格を有する保証金等については、全額を返還準備金として預託することを想定しその運用益を発生時に計上する方法と、全額を受渡時の収入又は支出として計上する方法とがある。
(4) 大規模修繕費等の費用については、当該費用を毎期の積み立てとして計上する方法と、実際に支出される時期に計上する方法がある。
(5) 保有期間は、毎期の純収益及び復帰価格について精度の高い予測が可能な期間として決定する必要があり、不動産投資における典型的な投資家が保有する期間を標準とする。
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正解:(2)
解説
【正解 (2)】DCF法において建物等の償却が考慮されるのは「復帰価格」であり、「割引率」ではありません。
(1) ○:対象不動産が更地であっても、最有効使用の賃貸用建物等の建築を想定することによりDCF法を適用することができます(基準総論第7章・留意事項)。
(2) ×:留意事項(総論第7章関係)は「建物等の純収益の算定においては、基本的には減価償却費を控除しない償却前の純収益を用いるものとし、建物等の償却については復帰価格において考慮される」としています。償却は復帰価格において考慮されるものであり、「割引率において考慮される」とする点が誤りです。
(3) ○:預り金的性格を有する保証金等については、運用益を発生時に計上する方法と、全額を受渡時の収入又は支出として計上する方法とがあります(留意事項)。
(4) ○:大規模修繕費等については、毎期の積立てとして計上する方法と、実際に支出される時期に計上する方法とがあります(留意事項)。
(5) ○:保有期間は、毎期の純収益及び復帰価格について精度の高い予測が可能な期間として、典型的な投資家が保有する期間を標準に決定します(留意事項)。
【学習ポイント】DCF法では「償却前の純収益を用いる」+「建物等の償却は復帰価格において考慮される」がワンセットです。償却の考慮先を割引率や還元利回りにすり替えるひっかけに注意しましょう。
📖 関連するテキスト:21-1 直接還元法(鑑トレの会員ページ)