令和7年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問32
各論第2章B 重要
宅地の新規賃料の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準及び同運用上の留意事項に照らし、誤っているものはどれか。
(1) 賃貸借等の契約を確認したところ、賃貸人の事情によって使用方法が制約され最有効使用の状態を確保できていないため、最有効使用が制約されている程度に応じた経済価値の減分を考慮して積算賃料の基礎価格を求めた。
(2) 地価水準の変動は基礎価格に反映されるため、期待利回りの判定に当たっては、地価水準の変動を考慮する必要はない。
(3) 配分法に準ずる方法に基づく比準賃料を求めるに当たっては、敷地の最有効使用の程度及び契約内容に留意して類似する事例を選択した。
(4) 賃貸事業分析法の適用に当たっては、新たに締結される土地の賃貸借等の契約内容に基づく予定建物を前提として土地に帰属する純収益を求めた。
(5) 試算賃料として、積算賃料、配分法に準ずる方法に基づく比準賃料及び賃貸事業分析法による宅地の試算賃料を求めることができたため、宅地の正常賃料の鑑定評価額を、試算できた積算賃料及び配分法に準ずる方法に基づく比準賃料を関連づけ、賃貸事業分析法で得た宅地の試算賃料も比較考量して決定した。
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正解:(2)
解説
【正解 (2)】期待利回りの判定に当たっては、地価水準(元本価値)の変動も考慮すべき事項です。
(1) ○:賃貸人の事情によって使用方法が制約され最有効使用の状態を確保できない場合には、その制約の程度に応じた経済価値の減分を考慮して基礎価格を求めます(留意事項)。
(2) ×:期待利回りの判定に当たっては、賃料の有する遅行性・粘着性や、元本価値と賃料との間の変動のタイムラグ等を踏まえ、地価水準の変動も考慮する必要があります。基礎価格に反映されるから考慮不要とするのは誤りです(留意事項)。
(3) ○:配分法に準ずる方法に基づく比準賃料を求めるに当たり、敷地の最有効使用の程度及び契約内容に留意して類似する事例を選択することは適切です(留意事項)。
(4) ○:賃貸事業分析法は、新たに締結される賃貸借等の契約内容に基づく賃貸事業(予定建物)を前提として土地に帰属する純収益を求める手法です(基準総論第7章・各論第2章)。
(5) ○:宅地の正常賃料の鑑定評価額は、積算賃料及び配分法に準ずる方法に基づく比準賃料を関連づけ、賃貸事業分析法による宅地の試算賃料を比較考量して決定します(基準各論第2章)。
【学習ポイント】期待利回りの判定に係る考慮事項(賃料の遅行性・粘着性、地価水準の変動等)は新規賃料の頻出テーマです。「考慮する必要はない」型の肢はまず疑いましょう。
📖 関連するテキスト:40-1 各論第2章の全体像と賃料の類型(鑑トレの会員ページ)