平成28年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問27
各論第1章A 最重要
価格に関する鑑定評価の手法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 更地、建付地、借地権のいずれの場合も、不動産の鑑定評価の3手法(原価法、取引事例比較法及び収益還元法。以下この問において同じ。)の適用が可能である。
(2) 自用の建物及びその敷地、貸家及びその敷地、借地権付建物、区分所有建物及びその敷地のいずれの場合も、不動産の鑑定評価の3手法の適用が可能である。
(3) 建物等と一体として継続使用することが合理的である場合においてその敷地について鑑定評価を行う場合、又は建物及びその敷地が一体として市場性を有する場合において建物のみの鑑定評価を行う場合、複合不動産価格をもとに、敷地又は建物に帰属する額を配分して求めた価格を標準として鑑定評価額を決定できる。
(4) 更地の鑑定評価において、対象不動産に係る主たる需要者が開発事業者等であると想定される場合には、不動産の鑑定評価の3手法の考え方を活用した手法であり、かつ開発事業者等の投資採算性に着目した開発法を適用して鑑定評価額を決定すべきである。
(5) 区分地上権の鑑定評価を行う場合、又は取引慣行の成熟の程度の高い地域において借地権の鑑定評価を行う場合には、区分地上権割合又は借地権割合により価格を求める手法があり、いずれの場合も当該権利の設定地に係る更地としての価格を用いる手法である。
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正解:(1)
解説
【正解 (1)】誤っているのは(1)です。
(1) ×:借地権は他人の土地を使用収益する権利であり、これを新たに調達する原価を観念できないため、原価法の適用はできません。更地及び建付地については、再調達原価を適切に求められる場合に原価法を適用できますが、借地権を含めて「いずれの場合も3手法の適用が可能」とはいえません。
(2) ○:自用の建物及びその敷地、貸家及びその敷地、借地権付建物、区分所有建物及びその敷地は、いずれも建物を含む複合不動産であり、再調達原価の把握が可能ですから3手法の適用が可能です。
(3) ○:建物等と一体として継続使用することが合理的である場合の敷地の評価、及び建物及びその敷地が一体として市場性を有する場合の建物のみの評価では、複合不動産価格から配分して求めた価格を標準として決定できます(配分法の考え方)。
(4) ○:更地の主たる需要者が開発事業者等と想定される場合には、その投資採算性に着目した開発法を適用します。開発法は3手法の考え方を活用した手法です。
(5) ○:区分地上権割合・借地権割合による手法は、いずれも当該権利の設定地に係る更地としての価格に割合を乗じて求めるものです。
📖 関連するテキスト:38-1 区分所有建物及びその敷地の意義(鑑トレの会員ページ)