平成30年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問10
総論第5章A 最重要
対象確定条件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 宅地分譲用地として取得された大規模な画地について、造成工事の完了を前提とした鑑定評価の依頼を受けた。価格時点において想定される造成後の不動産に係る物的確認及び権利の態様の確認が可能で、工事発注者が資金調達能力を有していると判断され、更に、評価書の利用者の利益を害するおそれがないと確認することができれば、未竣工建物等鑑定評価として鑑定評価を行ってもよい。
(2) 3階建ての店舗兼共同住宅について建物のみの鑑定評価の依頼を受けた。建物の所有者が敷地の所有権を有しているかどうか、建物が自用か賃貸の用に供されているかどうかにかかわらず、部分鑑定評価として鑑定評価を行うこととなる。
(3) 郊外の住宅団地内に存する自用の建物及びその敷地(建物は戸建住宅)の、土地のみの鑑定評価の依頼を受けた。対象不動産の更地としての最有効使用が戸建住宅の敷地と判断され、建物が更地としての最有効使用に適合している場合であっても、部分鑑定評価と独立鑑定評価で鑑定評価額が異なる場合がある。
(4) 建物を借地権者が使用している借地権付建物について、その状態を所与として鑑定評価を行うことは、対象確定条件に該当しない。
(5) 老朽化により建物の取壊しが予定されている社宅及びその敷地の鑑定評価を、独立鑑定評価として依頼を受けた場合には、建物の取壊し等に必要な経費を控除する場合がある。
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正解:(2)
解説
【正解 (2)】正しいのは(2)です。
(2) ○:建物及びその敷地が一体として市場性を有する場合における建物のみの鑑定評価は、その状態を所与として構成部分を評価するものですから部分鑑定評価となります。敷地の所有関係や自用・賃貸の別によって変わるものではありません。
(1) ×:未竣工建物等鑑定評価を行うには、物的確認等が可能であることや資金調達能力に加え、法令上必要な許認可等が取得されていることも必要です(総論第5章第1節Ⅰ2.なお書き)。設問はこの要件が欠けています。
(3) ×:建物が更地としての最有効使用に適合している場合には建付減価が生じませんから、建付地としての価格(部分鑑定評価)と更地としての価格(独立鑑定評価)は一致します。異なる場合があるとはいえません。
(4) ×:借地権付建物についてその状態を所与として鑑定評価を行うことは、土地及び建物等の結合により構成されている不動産についてその状態を所与とするものであり、対象確定条件に該当します。
(5) ×:独立鑑定評価は、土地のみを建物等が存しない更地として評価するものですから、建物の取壊しに必要な経費を控除する場面ではありません。取壊し費用を加減するのは、建物及びその敷地として評価し、取壊しが最有効使用と認められる場合です。
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