平成30年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問33
各論第2章B 重要
宅地の新規賃料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 高層ビル敷地としての使用が最有効使用であるが、賃貸人の事情により低層ビル敷地としての賃貸借契約を締結する予定である。この場合の基礎価格は、最有効使用の状態を確保できる更地としての価格になる。
(2) 積算賃料を求めるに当たっての期待利回りの判定については、地価水準の変動に対する賃料の遅行性及び地価との相関関係の程度を考慮する必要がある。
(3) 宅地の正常賃料を求める場合において、配分法に準ずる方法に基づく比準賃料を求める際に採用する事例については、宅地を含む複合不動産の賃貸借等の内容が類似しているもので、最有効使用の状態にあるものでなければならない。
(4) 賃貸事業分析法は、新たに契約される土地の賃貸借等の契約内容に基づく予定建物を前提として土地に帰属する純収益を求めるものであり、ここでいう「予定建物」は、土地の賃貸借等の契約締結後に新築する建物のみを意味することから、契約時点において既に存在する建物は含まれない。
(5) 収益賃料や賃貸事業分析法に基づく試算賃料は、積算賃料や比準賃料に比べて、その説得力が一般的に優ると考えられていることから、積算賃料や比準賃料よりも重視して鑑定評価額を決定するべきである。
正解と解説を見る
正解:(2)
解説
【正解 (2)】正しいのは(2)です。
(2) ○:期待利回りは基礎価格に対する純賃料の割合であり、その判定に当たっては、地価水準の変動に対して賃料の変動が遅れて現れる性質(賃料の遅行性)や、地価と賃料の相関関係の程度を考慮する必要があります。
(1) ×:積算法の基礎価格は「賃貸借等の契約内容による使用方法に基づく」価格です。低層ビル敷地としての契約であれば、その制約を前提とした価格が基礎価格となり、最有効使用の状態を確保できる更地としての価格ではありません。
(3) ×:配分法に準ずる方法に基づく比準賃料の事例は、賃貸借等の内容が類似していることが必要ですが、最有効使用の状態にあるものに限られるわけではありません。
(4) ×:賃貸事業分析法にいう予定建物には、契約時点で既に存在する建物が含まれる場合もあります。土地の賃貸借等の契約内容に基づき賃貸事業の純収益を求められればよく、新築建物に限定されません。
(5) ×:宅地の正常賃料は積算賃料、比準賃料及び配分法に準ずる方法に基づく比準賃料を関連づけて決定し、収益賃料や賃貸事業分析法による試算賃料は比較考量にとどまります。説得力が一般的に優るという前提自体が誤りです。
📖 関連するテキスト:40-1 各論第2章の全体像と賃料の類型(鑑トレの会員ページ)