令和3年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問8
総論第4章C 標準
不動産の価格に関する諸原則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 不動産の価格は一般の財と同様にその需要と供給との相互関係によって定まるが、一方で地理的位置の固定性や不増性、用途の多様性等の不動産の特性を有するために、その需要と供給及び価格の形成には、これらの特性の反映が認められる。
(2) 収益分析法の適用に当たっては、収益配分の原則を活用している。
(3) 収益還元法の適用における還元利回り及び割引率の算定に当たっては、変動の原則を活用している。
(4) 不動産の価格は、その不動産の最有効使用を前提として把握される価格を標準として形成されるが、この場合の最有効使用は、現実の社会経済情勢の下で客観的にみて、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法に基づくものである。
(5) 鑑定評価に当たっては、不動産の価格に関する諸原則の法則性を認識し、活用すべきであるが、不動産鑑定評価基準においては、「試算価格又は試算賃料の調整」における「各試算価格又は試算賃料が有する説得力に係る判断」として、「不動産の価格に関する諸原則の当該案件に即応した活用の適否」の検討が求められている。
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正解:(5)
解説
【正解 (5)】誤っているのは(5)です。
(5) ×:「不動産の価格に関する諸原則の当該案件に即応した活用の適否」は、試算価格又は試算賃料の調整のうち「各試算価格又は試算賃料の再吟味」の留意事項として掲げられています(総論第8章第8節Ⅰ2.)。「説得力に係る判断」の項目ではありません。調整は再吟味と説得力の判断の二段構えであり、どちらの段階の話かを問う肢です。
(1) ○:需要と供給の原則に関する記述であり、不動産の特性が需給と価格形成に反映される点も条文どおりです。
(2) ○:収益分析法は一般の企業経営に基づく総収益から不動産に帰属する純収益を求めるものであり、収益配分の原則を活用しています。
(3) ○:還元利回り及び割引率は将来の変動予測や不確実性を織り込むものであり、変動の原則を活用しています。
(4) ○:最有効使用は、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法に基づくものです。
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