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平成28年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問14

総論第6章B 重要

以下の内容を前提とする対象不動産の個別分析に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

〔前提とする事項〕

対象不動産は築40 年・2階建ての賃貸共同住宅(地積は500 ㎡で、賃借人は1名のみ存在)。鑑定評価の依頼目的は「相続のための時価評価」で、依頼者(相続人)は現状の建物の継続利用を予定。近隣地域では、400 ㎡を超える土地には中層共同住宅が建築される傾向にある。

(1) 築40 年の賃貸共同住宅であり、また賃借人が1名のみであるので、近隣地域及び同一需給圏内の類似地域の賃貸共同住宅の市場動向の把握や賃貸借契約の内容の確認及び分析を行う必要がないと判断した。
(2) 対象不動産は貸家及びその敷地であり、依頼目的が売買ではないこと及び依頼者が継続利用を予定していることを理由として、建物及びその敷地の最有効使用を現状の建物のままで継続使用することと判定した。
(3) 対象地を分割し戸建住宅地として利用する場合の経済合理性の方が、中層共同住宅地として一体利用する場合の経済合理性より優ると認められたが、近隣地域の状況及び対象地の規模を踏まえ、対象地の更地としての最有効使用を中層共同住宅地と判定した。
(4) 建物及びその敷地の最有効使用の判定に当たり、対象建物を取り壊して更地化する場合の経済合理性の判断において、対象建物の解体工事費のほか、賃借人の立退きに伴う費用や立退きに要する期間なども考慮した。
(5) 更地としての最有効使用を中層共同住宅地と判定したが、現状は2階建てであり、更地としての最有効使用と現状の利用用途が異なることを理由として、建物及びその敷地の最有効使用について対象建物を取り壊して更地化することと判定した。

正解と解説を見る

正解:(4)

解説

【正解 (4)】正しいのは(4)です。 (4) ○:建物及びその敷地の最有効使用の判定において、建物を取り壊して更地化する場合の経済合理性を検討する際は、解体工事費だけでなく、賃借人の立退きに伴う費用や立退きに要する期間も考慮する必要があります。賃借人がいる以上、更地化は費用と時間を要する行為だからです。 (1) ×:築年数が古く賃借人が1名であっても、賃貸共同住宅として評価する以上、近隣地域及び類似地域の市場動向の把握や賃貸借契約の内容の確認・分析は必要です。 (2) ×:最有効使用は客観的に判定すべきものであり、依頼目的が売買でないことや依頼者が継続利用を予定していることを理由に判定してはなりません。依頼者の主観的な計画は最有効使用の判定基準になりません。 (3) ×:分割して戸建住宅地として利用する方が経済合理性が優ると認められたのであれば、更地としての最有効使用はそちらと判定すべきです。近隣地域で400㎡超の土地に中層共同住宅が建つ傾向があることは標準的使用を示すにとどまり、個別の最有効使用の判定を拘束しません。 (5) ×:更地としての最有効使用と現状の利用が異なることは、直ちに取壊しが最有効使用であることを意味しません。取壊し・更地化に要する費用と、現状利用を継続した場合の収益を比較して判断する必要があります。

📖 関連するテキスト:13-1 地域分析の意義(鑑トレの会員ページ)

この問題に出てくる用語

最有効使用同一需給圏標準的使用近隣地域類似地域個別分析賃貸借相続

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出典:平成28年不動産鑑定士試験 短答式試験(国土交通省)を加工して作成。解説は鑑トレが作成。