鑑トレ

過去問 > 平成29年 鑑定理論 > 問12

平成29年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問12

総論第5章A 最重要

鑑定評価の条件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1) 鑑定評価の条件は、依頼内容及び価格の種類に応じて設定するもので、同一不動産であっても設定された条件如何によっては鑑定評価額に差異が生ずるものであることから、不動産鑑定士は、直接、依頼内容及び価格の種類の確認を行うべきである。
(2) 対象確定条件を設定するに当たっては、鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないかどうかの観点から当該条件設定の妥当性を確認しなければならないが、併合鑑定評価を設定するに当たっては、実現性及び合法性の観点からの妥当性を有することまでは求められていない。
(3) 未竣工建物等鑑定評価は、当該建物等が竣工する将来時点において、工事が完了し、その使用収益が可能な状態であることを前提として鑑定評価を行うものであり、当該前提が実現性及び合法性を有する場合には、将来時点を価格時点とすることができる。
(4) 証券化対象不動産について、工事を検討している段階で「建物に関する有害物質除去工事が完了したものとして」という個別的要因についての想定上の条件を設定して行う鑑定評価は、通常の条件設定に係る要件に加え、工事の中止、工期の延期又は工事内容の変更が発生した場合に生じる損害が、当該不動産に係る売買契約上の約定や各種保険等により回避される場合に限り行うことができる。
(5) 調査範囲等条件を設定して「建物に関する有害な物質の使用の有無及びその状態」を価格形成要因から除外して鑑定評価を行う場合、対象不動産について現実の価格形成要因と異なる状態を前提とするため、有害物質除去工事についての実現性の確認をする必要がある。

正解と解説を見る

正解:(2)

解説

【正解 (2)】正しいのは(2)です。 (2) ○:総論第5章第1節Ⅰ2.は、対象確定条件について「鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないかどうかの観点から当該条件設定の妥当性を確認しなければならない」と定めるにとどまります。実現性及び合法性の観点からの妥当性が明文で要求されているのは、地域要因又は個別的要因についての想定上の条件(同節Ⅱ)です。併合鑑定評価は対象確定条件の一つですから、実現性・合法性までは要求されていません。 (1) ×:確定すべき基本的事項は、対象不動産、価格時点及び価格又は賃料の種類です(総論第5章)。「依頼内容及び価格の種類に応じて設定する」という組立て自体が条文と異なります。 (3) ×:未竣工建物等鑑定評価は、工事の完了を前提として現在時点を価格時点として行うものです。将来時点を価格時点とするものではありません。 (4) ×:証券化対象不動産の鑑定評価は、鑑定評価書の利用者の利益に重大な影響を及ぼす可能性がある場合として、原則として現実の利用状況と異なる対象確定条件・想定上の条件・調査範囲等条件を設定してはならないとされています(同節Ⅳ)。例外は各論第3章第2節の要件を満たす未竣工建物等鑑定評価に限られ、損害が契約や保険で回避されれば設定できるというものではありません。 (5) ×:調査範囲等条件は、価格形成要因の調査の範囲を限定するものであって、現実と異なる状態を前提とする想定上の条件ではありません。したがって実現性の確認は問題になりません。求められるのは、利用者の利益を害するおそれがないと判断されることです(同節Ⅲ)。

📖 関連するテキスト:11-1 基本的事項の意義(鑑トレの会員ページ)

この問題に出てくる用語

地域要因又は個別的要因についての想定上の条件未竣工建物等鑑定評価証券化対象不動産調査範囲等条件価格形成要因対象確定条件併合鑑定評価価格時点

← 問11平成29年 鑑定理論 一覧問13 →

鑑トレに登録すると、この問題を解いた記録が残り、間違えた問題だけを解き直せます。選択肢を1肢ずつ○×で解く練習もできます。

無料で始める

登録はメールアドレスだけ。β版のいまは、過去問・一問一答・テキストを含む全機能を無料で使えます

出典:平成29年不動産鑑定士試験 短答式試験(国土交通省)を加工して作成。解説は鑑トレが作成。