令和4年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問17
総論第7章A 最重要
原価法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 土地についての原価法の適用において、宅地造成直後の対象地の地域要因と価格時点における対象地の地域要因とを比較し、公共施設、利便施設等の整備及び住宅等の建設等により、社会的、経済的環境の変化が価格水準に影響を与えていると客観的に認められる場合には、地域要因の変化の程度に応じた増加額を熟成度として加算することができる。
(2) 建築資材や工法等の変遷により、対象不動産の再調達原価を求めることが困難な場合には、対象不動産と同等の有用性を持つものに置き換えて求めた原価(置換原価)を再調達原価とみなすことができるが、神社、仏閣等のような特殊建築物等については、安易に置換原価を求めることが適切でない場合がある。
(3) 減価額を求める方法には、耐用年数に基づく方法と観察減価法の二つの方法があり、必要に応じていずれかを適用し、または併用するものとする。
(4) 減価修正を行うための減価要因のうち、機能的要因には建物と敷地との不適応のほか、設計の不良、型式の旧式化、設備の不足及びその能率の低下等が挙げられる。
(5) 減価修正を行うための方法のうち、観察減価法の適用においては、対象不動産の個別分析の結果を踏まえた代替、競争等の関係にある不動産と比べた優劣及び競争力の程度等を適切に反映すべきである。
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正解:(3)
解説
【正解 (3)】減価額を求める二つの方法(耐用年数に基づく方法・観察減価法)は「併用するものとする」とされており、「いずれかを適用し、または併用」とする点が誤りです。
(1) ○:造成直後と価格時点の地域要因を比較し、社会的・経済的環境の変化が価格水準に影響を与えていると客観的に認められる場合には、地域要因の変化の程度に応じた増加額を熟成度として加算できます(総論第7章、留意事項)。
(2) ○:再調達原価の把握が困難な場合は置換原価を再調達原価とみなすことができますが、神社、仏閣等の特殊建築物等については安易に置換原価を求めることが適切でない場合があります(留意事項)。
(3) ×:基準は「減価額を求めるには、次の二つの方法があり、これらを併用するものとする」と定めており、選択適用は認められていません(総論第7章)。
(4) ○:機能的要因の例示(建物と敷地との不適応、設計の不良、型式の旧式化、設備の不足及びその能率の低下等)のとおりです(総論第7章)。
(5) ○:観察減価法の適用に当たっては、個別分析の結果を踏まえた代替・競争関係にある不動産と比べた優劣及び競争力の程度等を適切に反映すべきです(留意事項)。
【学習ポイント】「併用するものとする」を「いずれか一方でよい」に変える語尾差替えは頻出です。減価修正=二方法併用、と即答できるようにしましょう。
📖 関連するテキスト:17-1 減価修正の意義(鑑トレの会員ページ)