令和5年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問13
総論第6章B 重要
対象不動産の市場の特性に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 居住用不動産に係る市場の特性は、地域の名声や品位にも影響を受けることがあり、需給動向の的確な把握においてはこれらの事項にも留意する必要がある。
(2) 業務用不動産の場合、需要者層及び供給者層は個人ではなく法人となる。
(3) 市場の特性の把握に当たっては、建設業者や金融機関等への聴聞のほか、農地の評価であれば農林水産省、ホテルの評価であれば経済産業省の担当窓口への聴聞が不可欠である。
(4) 市場参加者の属性については、需要者の年齢や家族構成は個人情報であり、昨今では収集が困難であることから把握の必要はない。
(5) 取引事例比較法の適用において、対象地の存する地域の地価変動が激しいと把握される場合においては、地域要因の変動が激しい近隣地域以外の地域から取引事例を選択して直接個別的要因の比較を行い、比準価格を試算すべきである。
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正解:(1)
解説
【正解 (1)】対象不動産に係る市場の特性の出題です。
(1) ○:居住用不動産の市場は地域の名声や品位にも影響を受けることがあり、需給動向の的確な把握に当たってはこれらの事項にも留意する必要があります(留意事項)。
(2) ×:業務用不動産でも個人が需要者・供給者となる場合があり、「法人となる」と断定する点が誤りです。
(3) ×:建設業者や金融機関等への聴聞は市場の特性を把握する手段の例示であり、特定省庁の窓口への聴聞が「不可欠」とはされていません。
(4) ×:需要者の年齢層や家族構成等の市場参加者の属性は、市場分析において把握すべき事項です。収集が困難であることを理由に把握不要とはなりません。
(5) ×:取引事例は原則として近隣地域又は同一需給圏内の類似地域等から選択し、地価変動が激しい場合は時点修正を的確に行うべきです。近隣地域を避けて個別的要因の比較のみを行うのは誤りです(基準総論第7章)。
【学習ポイント】「不可欠」「把握の必要はない」「必ず」といった断定表現は誤りであることが多く、市場分析は個別の実情に応じた柔軟な判断が求められる分野です。
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