令和5年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問34
各論第3章A 最重要
証券化対象不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 証券化対象不動産の評価では通常エンジニアリング・レポート(ER)を活用しなければならないが、不動産鑑定評価基準には原則ERを必要としない例として対象不動産が更地である場合(建物を取り壊す予定である場合を含む)が挙げられている。
(2) 証券化対象不動産が更地である場合(建物を取り壊す予定である場合を含む)、DCF法の適用に代えて開発法を適用することが有効である。
(3) 証券化対象不動産の鑑定評価において建付地の正常価格を求める場合、更地としての価格と一致しなければならない。
(4) 証券化対象不動産が底地である場合、実地調査において対象不動産の上に存する建物の内覧を省略することはできない。
(5) 直接還元法の費用項目について、固定資産税、都市計画税について実際には各種軽減措置が講じられている場合があるが、それが永続するものでないこともあるため、土地の固定資産税に必ずしも最新年度の税金実額を計上するとは限らない。
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正解:(5)
解説
【正解 (5)】証券化対象不動産の鑑定評価の出題です。
(1) ×:基準各論第3章第4節Ⅲ(2)が「証券化対象不動産が更地である場合(建物を取り壊す予定である場合を含む。)」等を掲げているのは、「エンジニアリング・レポートの提出がない場合又はその記載されている内容が不十分である場合として想定される場合」の例示であり、「原則ERを必要としない例」ではありません。この場合も、ERに代わるものとして不動産鑑定士が調査を行うなど鑑定評価を適切に行うために対応した上で、対応した内容及びそれが適切であると判断した理由を鑑定評価報告書に記載しなければなりません(同Ⅲ(1)ただし書き)。なお「建物を取り壊す予定である場合を含む」というかっこ書き自体は原文どおりです。
(2) ×:基準各論第3章第5節は「証券化対象不動産の鑑定評価における収益価格を求めるに当たっては、DCF法を適用しなければならない」としており、開発法を「DCF法の適用に代えて」適用できるとはしていません。
(3) ×:建付地には建付減価・建付増価があり得るため、正常価格が更地としての価格と常に一致しなければならないわけではありません。
(4) ×:対象不動産が底地である場合、借地上の建物は対象不動産に含まれないため、内覧を省略することができます。
(5) ○:固定資産税等の軽減措置は永続するとは限らないため、必ずしも最新年度の税額実額をそのまま計上するとは限りません。
【学習ポイント】証券化評価は「DCF法の適用」と「ERの活用の判断・根拠の記載」が二本柱です。更地等の例示は「ERが不要となる場合」ではなく「ERの提出がない・記載内容が不十分と想定される場合」である点を正確に押さえましょう。
📖 関連するテキスト:42-1 各論第3章の全体像と証券化対象不動産の意義(鑑トレの会員ページ)