平成27年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問20
総論第7章A 最重要
賃料を求める鑑定評価の手法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 契約に当たって権利金、敷金、保証金等の一時金の授受がない場合は、実質賃料と支払賃料は同じ額となる。
(2) 地代を求める場合の積算法の適用における基礎価格の査定に当たっては、使用方法等が契約条件によって制約されているか否か(最有効使用の実現の程度)を勘案して求める必要があるが、契約に当たって授受される一時金の内容を勘案する必要はない。
(3) 新規賃料の鑑定評価に当たっては、契約の種類・目的、契約期間、特約の内容などの予定される契約内容を明確にしなければならない。
(4) 収益分析法による収益賃料は、収益純賃料の額に賃貸借等に当たって賃料に含まれる必要諸経費等を加算することによって求めるが、この場合の必要諸経費等は、積算法の適用における必要諸経費等に準じて求める。
(5) 賃貸事例比較法の適用における賃貸事例を収集する地域の範囲は、通常、価格を求める場合の取引事例を収集する地域の範囲とは異なり、また、賃貸事例であっても地代と家賃の別、建物の用途の別により異なる。
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正解:(2)
解説
【正解 (2)】誤っているのは(2)です。
(2) ×:基礎価格は、積算賃料を求めるための基礎となる価格であり、契約により使用方法が制約される場合はその程度を反映させます。加えて、権利金等の一時金が授受されている場合には、その一時金が実質的に賃料の前払いや預り金としての性格を持ち、賃料水準に影響するため、その内容も勘案する必要があります。「勘案する必要はない」とする点が誤りです。
(1) ○:実質賃料は、賃料の種類のいかんを問わず賃貸人に支払われる賃料の算定の基礎となる経済価値のすべてであり、一時金の運用益・償却額を含みます。一時金の授受がなければ実質賃料と支払賃料は一致します。
(3) ○:新規賃料は、これから締結される契約を前提とするため、契約の種類・目的、期間、特約等の予定される契約内容を明確にしなければ賃料水準を判定できません。
(4) ○:収益分析法における必要諸経費等は、積算法の適用における必要諸経費等に準じて求めます。
(5) ○:賃料の市場は価格の市場と範囲が異なり、さらに地代と家賃、建物の用途によっても事例収集の範囲は異なります。
📖 関連するテキスト:23-1 賃料の意義(鑑トレの会員ページ)