令和元年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問17
総論第7章A 最重要
鑑定評価の方式に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 更地の取引事例について規範性が高いと判断される事例がない場合においては、自用の建物及びその敷地の取引事例の取引価格から建物部分の価格が取引価格等により判明しているときはその価格を控除して、更地に係る事例資料を求めることができる。
(2) 収益還元法の有期還元法のうち、償却前の純収益に複利年金現価率を乗じて、これに収益期間満了時における土地の価格、及び建物等の残存価格又は建物等の撤去費をそれぞれ現在価値に換算した額を加減して収益価格を求める方法をインウッド式という。
(3) 証券化対象不動産の鑑定評価において収益価格を求める場合、収益費用項目のうち維持管理費は、建物・設備管理、保安警備、清掃、対象不動産の管理業務等に係る経費が含まれる。
(4) 収益還元法の有期還元法における複利年金現価率は、収益期間を無期とした場合、割引率の逆数となり、直接還元法における還元利回りに一致する。
(5) 原価法の適用における減価修正のうち、観察減価法は、対象不動産について、設計、設備等の機能性、維持管理の状態、補修の状況、付近の環境との適合の状態等各減価の要因の実態を調査することにより、減価額を直接求める方法である。
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正解:(3)
解説
【正解 (3)】誤っているのは(3)です。
(3) ×:維持管理費は「建物・設備管理、保安警備、清掃等対象不動産の維持・管理のために経常的に要する費用」と定義されており、対象不動産の管理業務に係る経費は「プロパティマネジメントフィー」として別項目に計上します(各論第3章第5節Ⅱ)。建物という物の管理と、賃貸事業としての管理運営とを区別する趣旨です。
(1) ○:更地の規範性が高い取引事例がない場合、自用の建物及びその敷地の取引事例から建物部分の価格を控除して更地に係る事例資料を求めることができます(配分法のうち控除法)。
(2) ○:複利年金現価率を用い、収益期間満了時における土地の価格及び建物等の残存価格又は撤去費を現在価値に換算した額を加減する方法をインウッド式といいます。
(4) ○:複利年金現価率は収益期間を無期とすると割引率の逆数となり、純収益が一定であれば直接還元法の還元利回りと一致します。
(5) ○:観察減価法の定義のとおりです。
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