令和2年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問15
総論第7章A 最重要
事例資料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 手法の適用に当たって必要な事例には、取引事例、建設事例及び収益事例があり、これらはいずれも、時点修正をすることが可能で、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較が可能なものから選択しなければならない。
(2) 取引事例に係る特殊な事情とは、正常価格を求める場合、正常価格の前提となる現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる諸条件を欠くに至らしめる事情のことである。
(3) 更地である対象不動産の最有効使用がホテルで、標準的使用が中高層事務所ビルである場合の取引事例の選択に当たっては、必ずしも地域概念にとらわれず、同一需給圏内において対象不動産と代替競争等の関係が成立している不動産に係る取引事例から選択すべき場合がある。
(4) 取引事例に係る不動産が近隣地域に存するものである場合は、対象不動産と当該事例に係る不動産の個別的要因の比較を行う。
(5) 借地権の取引慣行の成熟の程度の低い地域における借地権の鑑定評価であれば、更地の取引事例の収集は必要ない。
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正解:(5)
解説
【正解 (5)】誤っているのは(5)です。
(5) ×:借地権の取引慣行の成熟の程度が低い地域における借地権の鑑定評価額は、土地残余法による収益価格、賃料差額還元による価格及び「更地又は建付地としての価格から底地価格を控除して得た価格」を関連づけて決定します(各論第1章第1節Ⅰ3.)。更地としての価格を求める必要がある以上、更地の取引事例の収集は必要です。借地権の取引事例が得られないからこそ、更地から出発するという発想です。
(1) ○:取引事例等は、時点修正が可能であり、地域要因の比較及び個別的要因の比較が可能なものから選択しなければなりません。
(2) ○:正常価格を求める場合の特殊な事情とは、正常価格の前提となる合理的な諸条件を欠くに至らしめる事情をいいます。
(3) ○:最有効使用と標準的使用が異なる場合には、必ずしも地域概念にとらわれず、同一需給圏内で代替、競争等の関係が成立する不動産の事例から選択すべき場合があります。
(4) ○:近隣地域に存する事例であれば地域要因は同一ですから、地域要因の比較は要せず個別的要因の比較を行います。
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