令和2年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問6
総論第4章C 標準
不動産の価格に関する諸原則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 原価法の適用における減価修正のうち、機能的要因に着目して減価額を求める場合に当たっては、均衡の原則を活用している。
(2) DCF法の適用において、大規模修繕費等の費用の計上に当たっては、寄与の原則を活用している。
(3) 収益還元法の適用において、還元利回りを割引率との関係から求める場合に当たっては、予測の原則を活用している。
(4) 取引事例比較法の適用において、時点修正率を把握するに当たっては、変動の原則を活用している。
(5) 貸家及びその敷地における直接還元法の総収益である支払賃料等を求めるに当たっては、収益配分の原則を活用している。
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正解:(5)
解説
【正解 (5)】誤っているのは(5)です。
(5) ×:収益配分の原則は、土地、資本、労働及び経営(組織)の各要素の結合によって生み出される総収益が、これらの各要素に配分されるという原則です。活用されるのは、複合不動産の収益から建物等に帰属する部分を控除して土地に帰属する収益を求める場面(土地残余法等)であり、貸家及びその敷地の総収益である支払賃料等を把握する段階ではありません。総収益を「求める」ことと、総収益を各要素に「配分する」ことの違いを問う肢です。
(1) ○:機能的減価は、設計・設備の不良や型式の旧式化など構成要素の組合せの均衡を失うことにより生じるため、均衡の原則が活用されます。
(2) ○:大規模修繕費等の費用の計上は、その追加投資が全体の価値にどれだけ寄与するかという寄与の原則の活用場面です。
(3) ○:還元利回りを割引率との関係から求める場合には、純収益の将来の変動予測を反映させるため、予測の原則が活用されます。
(4) ○:時点修正は価格が時の経過とともに変動することを前提とするものであり、変動の原則の活用場面です。
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