令和5年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問4
総論第2章C 標準
不動産の種別及び類型に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 地域の種別は、宅地地域、農地地域、林地地域等に分けられ、それぞれの地域の種別に応じた適切な鑑定評価の方式を選択する必要がある。
(2) 土地がA社所有、建物がB社所有で、土地建物ともC社に賃貸されている不動産について、依頼目的及び条件設定の妥当性を考慮の上、所有者が同一人であり各賃貸借契約がないものとする対象確定条件下で自用の建物及びその敷地としての評価を行うこととした場合、対象建物の実際支払賃料をもとに収益還元法における純収益を査定する必要がある。
(3) 林地を林地以外のものとするための取引に当たって鑑定評価を求められた場合、依頼目的から宅地へと転換しつつある地域と判断されることから、宅地の地域要因をより重視すべきである。
(4) 不動産鑑定評価基準では、基本的に種別及び類型に応じた鑑定評価の手法等を活用する必要があるとされており、対象不動産の種別及び類型に応じた不動産鑑定評価基準各論各章の規定並びに価格形成要因の分析により把握した市場の特性等と適用した手法との関係を鑑定評価報告書へ記載する必要がある。
(5) 対象不動産が農地である場合、通常は土壌汚染の有無及びその状態が価格形成に重大な影響を及ぼすことから、土壌汚染が存しないものとする想定上の条件が設定できない場合には依頼者に土壌汚染に係る詳細なレポートの提供を求め、当該資料の提供がなかった場合は依頼を謝絶しなければならない。
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正解:(4)
解説
【正解 (4)】種別・類型と鑑定評価の関係の出題で、正しいのは(4)です。
(1) ×:地域の種別の区分自体は正しいですが、鑑定評価は種別に応じて「方式を選択」するのではなく、市場の特性等を踏まえて複数の鑑定評価手法を適用することが原則です(基準総論第8章)。
(2) ×:賃貸借契約がないものとする対象確定条件で「自用の建物及びその敷地」として評価する以上、実際支払賃料ではなく市場賃料に基づいて純収益を査定すべきです。条件設定と矛盾します。
(3) ×:地域の判定は現実の地域要因の分析に基づき客観的に行うものであり、依頼目的から転換しつつある地域と判断するのは誤りです。
(4) ○:種別・類型に応じた手法等の活用と、各論各章の規定・市場の特性等と適用手法との関係の鑑定評価報告書への記載が求められています(基準総論第8章・第9章)。
(5) ×:詳細な資料の提供がない場合でも、調査範囲等条件の設定や他の専門家の調査結果の活用等の対応があり得るため、「謝絶しなければならない」は誤りです(基準総論第5章)。
【学習ポイント】「〜しなければならない」「謝絶」など極端な帰結を述べる肢は、基準上の代替手段(条件設定・専門家活用)を思い出して検証しましょう。
📖 関連するテキスト:4-1 地域の種別(鑑トレの会員ページ)