令和6年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問30
留意事項B 重要
特定価格を求める場合に適用する鑑定評価手法等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 各論第3章第1節に規定する証券化対象不動産に係る鑑定評価目的の下で、投資家に示すための投資採算価値を表す価格を求める場合、基本的に収益還元法のうちDCF法により求めた試算価格を標準とし、直接還元法による検証を行って求めた収益価格に基づき、比準価格及び積算価格による検証を行う。
(2) 各論第3章第1節に規定する証券化対象不動産に係る鑑定評価目的の下で、投資家に示すための投資採算価値を表す価格を求める場合において、投資法人等が計画している資産運用方法が必ずしも対象不動産の最有効使用と一致しない場合には、投資家保護の観点から、対象不動産の最有効使用を前提に鑑定評価の各手法を適用する。
(3) 民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、早期売却を前提とした価格を求める場合、原則として比準価格と収益価格を関連づけ、積算価格による検証を行う。
(4) 民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、早期売却を前提とした価格を求める場合において、比較可能な事例資料が少ない場合には、通常の方法で正常価格を求めた上で、早期売却に伴う減価を行って鑑定評価額を求めることができる。
(5) 会社更生法又は民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、事業の継続を前提とした価格を求める場合、原則として事業経営に基づく純収益のうち不動産に帰属する純収益に基づく収益価格を標準とし、比準価格を比較考量の上、積算価格による検証を行う。
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正解:(2)
解説
【正解 (2)】特定価格を求める場合に適用する鑑定評価の手法(基準各論第1章第4節)の問題です。
(1) ○:証券化対象不動産に係る投資採算価値を表す価格は、DCF法により求めた試算価格を標準とし、直接還元法による検証を行って求めた収益価格に基づき、比準価格及び積算価格による検証を行って鑑定評価額を決定します(基準各論第1章第4節Ⅰ)。
(2) ×:投資法人等が計画している資産の運用方法が対象不動産の最有効使用と一致しない場合には、資産流動化計画等により投資家に開示される当該運用方法を所与として鑑定評価の各手法を適用します。最有効使用を前提としない点にこそ特定価格となる理由があるため、「最有効使用を前提に適用する」は誤りです(留意事項 総論第5章3.(2)②ア)。
(3) ○:民事再生法に基づく早期売却を前提とした価格は、原則として比準価格と収益価格を関連づけ、積算価格による検証を行って決定します(基準各論第1章第4節Ⅱ)。
(4) ○:比較可能な事例資料が少ない場合には、通常の方法で正常価格を求めた上で早期売却に伴う減価を行って鑑定評価額を求めることもできます(同Ⅱなお書き)。
(5) ○:事業の継続を前提とした価格は、事業経営に基づく純収益のうち不動産に帰属する純収益に基づく収益価格を標準とし、比準価格を比較考量の上、積算価格による検証を行います(同Ⅲ)。
【学習ポイント】適用手法そのものは基準各論第1章第4節Ⅰ〜Ⅲの本文、特定価格となる理由(正常価格の前提のどこが満たされないか)は留意事項 総論第5章という役割分担で押さえると、手法のすり替えに強くなります。
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