令和6年 不動産鑑定士試験 短答式 鑑定理論 問33
総論第5章A 最重要
不動産鑑定評価における「比較考量」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 取引事例比較法を適用して対象不動産の試算価格を求める場合、まず多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量するものとする。
(2) 一時金の運用利回りは、賃貸借等の契約に当たって授受される一時金の性格、賃貸借等の契約内容並びに対象不動産の種類及び性格等の相違に応じて、当該不動産の期待利回り、不動産の取引利回り、長期預金の金利、国債及び公社債利回り、金融機関の貸出金利等を比較考量して決定するものとする。
(3) 鑑定評価の条件は、その実現性・合法性と、鑑定評価の妥当する範囲及び鑑定評価を行った不動産鑑定士の責任の範囲等を比較考量して設定するものとする。
(4) 熟成度の低い宅地見込地を鑑定評価する場合には、比準価格を標準とし、転換前の土地の種別に基づく価格に宅地となる期待性を加味して得た価格を比較考量して決定するものとする。
(5) 建物及びその敷地の一部を対象とする場合の正常賃料の鑑定評価額は、当該建物及びその敷地の全体と当該部分との関連について総合的に比較考量して求めるものとする。
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正解:(3)
解説
【正解 (3)】「比較考量」という語の使われ方を横断的に問うユニークな問題です。
(1) ○:取引事例比較法の定義規定の記述のとおりです(基準総論第7章)。
(2) ○:一時金の運用利回りは、一時金の性格、契約内容、不動産の種類・性格等の相違に応じ、期待利回り、取引利回り、長期預金の金利、国債及び公社債利回り、貸出金利等を比較考量して決定します。
(3) ×:鑑定評価の条件の設定に当たっては、条件の実現性、合法性等の観点から妥当なものであることが求められるのであり、責任の範囲等と「比較考量して設定する」とはされていません(基準総論第5章)。
(4) ○:熟成度の低い宅地見込地については、比準価格を標準とし、転換前の土地の種別に基づく価格に宅地となる期待性を加味して得た価格を比較考量して決定します(基準各論第1章)。
(5) ○:建物及びその敷地の一部を対象とする場合の正常賃料の鑑定評価額は、全体と当該部分との関連について総合的に比較考量して求めます(基準各論第2章)。
【学習ポイント】条件設定の妥当性判断のキーワードは「実現性」「合法性」です。条文中の動詞・語尾(比較考量する/留意する/検討する)を正確に思い出せるようにしておきましょう。
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